スクエニ、テクモに対し子会社化を前提とした友好的公開買い付け提案
2008年08月29日 09:42
【スクウェア・エニックス(9684)】は8月29日、【テクモ(9650)】の発行する普通株式について、公開買い付けの方法により友好的に取得することを目的とした、条件案をテクモに提示したと発表した。取得価格は920円。最低でも過半数の取得を目的としているが、上限を設けていないため、完全子会社化も想定している(【発表リリース、PDF】)。
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テクモは【テクモがものすごい勢いで自社株買いをしている件について】にあるように、元開発陣との紛争の最中にある。そして先日8月20日にはその紛争の当事者の一人とされていた安田善巳元代表取締役社長が、代表取締役社長及び取締役を辞任。市場からはネガティブな材料として受け止められ、株価は急落していた(【発表リリース、PDF】)。
スクウェア・エニックスの発表によれば、テクモの現状について「今後の諸事情につきましては、この重要な一角の今後につき危惧せざるをえない状況」と認識。その上でテクモをスクエニのメンバー企業とすることで(10月に組織改変で生まれる持ち株会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの傘下企業とする)、テクモ自身の飛躍とスクエニグループ全体の発展が果たせると判断。今回の友好的公開買い付けによる子会社化を提案したとのこと。なお今発表において
テクモの組織、ブランドは現状のまま、スクウェア・エニックス及びタイトーと同じく、スクウェア・エニックス・ホールディングスの傘下企業と位置づけようと考えております。
と、テクモを破格の待遇で迎え入れることにも言及している(契約上の文言ではないことは留意する必要がある)。
なお今回の公開買い付けの提案は、あくまでもテクモからの賛同が前提のため、回答期限である9月4日中までに回答がないか、テクモの取締役会から賛同を得られない場合、今件は撤回され、「本案による」公開買い付けは行われない予定。
なお、スクエニの和田洋一社長は2月時点で【「M&Aに使える資金は1000億円」「ドラクエIX投入は慎重に」スクエニ和田社長は語る】にもあるように、機会があれば積極的に優良企業を買収してグループを強化する意向を示しており、今件はその機会が訪れたものと判断したようだ。
今後、テクモ側の反応に注目が集まるところではある。
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(最終更新:2013/08/03)
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