主婦が感じる「高いもの」、ガソリン追い抜きトップなのは……
2008年08月29日 08:00
女性、特に主婦層のマーケティングを行うハー・ストーリィは8月28日、主婦層の景気感と節約行動に対する調査結果を発表した。それによると主婦が感じる「この頃高いよね」と感じている商品のトップには「パン・食パン」がついた。世間一般に行われるこの類の調査結果では「ガソリン」がトップにつきそうなものだが、ガソリンを8ポイント以上上回る結果となっている。調査対象の生活様式で、「値が上がっている」と思う対象も大きく変わりうる好例としても注目される(【発表ページ】)。
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今調査は全国の主婦に対して4月28日に行われたもので、有効回答数は531人。年齢階層比は30代が45.6%、40代が35.8%など。
調査時点(4月末時点)で「現在値段が高いと感じている商品を3つ」と複数回答で尋ねたところ、トップについたのは「パン、食パン」だった。
現在、高いと感じている商品を3つ(フリー回答を集計、上位10位のみ抜粋)
多少のばらつきがあるが、ガソリンなどの原油高に直接影響を受けている商品、そして小麦や牛乳に関連する商品を「高い」と感じる意見が多い。
しかも調査対象が主婦ということもあり、直接家計を預かり、食生活を維持するために買い物に出来かける「現場担当者」としての意見が大きく反映される内容となっているのが分かる。【ガソリン・灯油・パン・めん類……「物価高騰」実感9割にも】や【ガソリン、パン、チーズ・バター、インスタントラーメン……最近値段が高くなったと感じる商品ランキング】など他社の調査ではほぼすべて、もっとも「値上がりしたと感じる商品」はガソリンであるのに対し、今件では食べ物の「パン、食パン」がトップについていることからも、それは明らか。男性よりも女性の方が、ガソリンを直接購入する機会が少ないからなのだろう。
実際にはガソリンや食品以外に、光熱費や衣服なども値上がりしているが、食品に多くの表が集まっていることからも「主婦がもっとも気にしているのは食品の値上げ」であることが再確認できる。
「現在、高いと感じている商品を3つ」主要項目別の得票率
とりわけ「小麦」「牛乳」関連の値上げが気になる人が多いのが特徴的。
今調査は春終盤にかけて行われたもので、暖房のことは気にかけなくてもよい時期であったことから、食品に対する高騰感が特に強く反映されたもの、と考えることができる。仮にこのまま原油高が続き、今秋以降の寒冷期において去年の冬以上に灯油が高止まりするのなら、家庭生活を現場で守る主婦の身においても「原油製品(主に灯油)の価格が高い」という認識が広まるのだろう。
それはさておき、「パン、食パン」などの身近な食品は、単価が安いだけにたとえ10円・20円の値上げでも大きな値上げとして目に留まるもの。しかも昨今の値上げはそれ以上の上げ幅であることが多く、さらに「ステルス値上げ」こと分量の減少も見られる。毎日のように購入する食材の値上げを、これまた「毎日」見せられるのであれば、気にならないはずもない。主婦の物価上昇へのいきどおりは、サラリーマン以上のものがあるに違いない。
(最終更新:2013/08/03)
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