「給与」「勤務地」「勤務時間」……意外と現実的な「働く上で重視していること」
2008年08月25日 08:00
インターネット調査会社のマイボイスコムが8月22日までに発表した調査結果によると、現在勤め事をしている人で仕事に対して重視していることは「給与」「勤務地」「勤務時間」の順だった。初めて入社した時に重視していることのアンケート結果と比べると「給与」「勤務時間」の重視度がアップしており、出来る範囲で少しでも労働条件を良くしようという現実的な考えが見え隠れしている。また、社会貢献度や社風・雰囲気、企業の理念・戦略など、「青くさい」と言われそうな点は得票数が少なかった(【発表リリース】)。
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今調査はインターネット経由で8月1日から5日の間に行われたもので、有効回答数は1万4886人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代がもっとも多く38%、ついで40代29%、50代以上17%など。
現在会社づとめをしている人で、「現時点で」働く上で重視していることについて複数回答・3つまでという条件で尋ねたところ、多い順に「給与」「勤務地」「勤務時間」という回答が得られた。
各地方テレビ局の直近決算データ
世間一般に、あるいは就職活動関連の雑誌で、仕事を選ぶ際に重要とされているような「適性にあったもの」「やりたいこと」「キャリアや知識を活かせる」などの項目を押しのけ、「お金」「働く場所」「働く時間」という現実問題が上位についている。現在働いている人が、現時点でどのように考えているのかという問いだから「理想より現実を」との考えが強くなるのだろうか。
しかし現在会社勤めをしている人に「はじめて入社した時に重視していたこと」について同じように尋ねたところ、やはり「勤務地」「給与」「勤務時間」の3つが(順位こそ違えど)最上位につくという結果が出ている。
はじめて入社する際に重視した点は
勤め始める時には「できれば自分の生活圏のそば(あるいは自分が望む場所)で働きたい」という意向の強さから「勤務地」への要望が強い。そして実際に勤め始めてみれば、その要望が適い(あるいはかわなずにあきらめ)、さらに現実的な問題・かなえられそうな希望として「給与」「勤務時間」が上位に上がってくるものと思われる。
いずれにせよ、自分の適性ややりたいこと、社風、そして会社そのものの業績やイメージなど、大局観的な視点や自分がその会社の一構成員であることを認識した点はあまり重視されず、とにかく目の前にある現実問題を強く考えたいというリアリスト的な志向が強いことが分かる。
最新の景気ウォッチャー調査では、雇用に関する現状判断DI(50が平均)は26.4まで低下しており、人々が雇用について「とても厳しい状況にある」と認識しているのが分かる。このような就職困難な状況下にある昨今、雇用に対する想いも「理想」から「現実」に重点が移るのも仕方ないものといえよう。まさに「人はパン無しには生きられない」というところか。
一方で、とりわけ若年層に離職率(転職率・転職数)が高いのも、現実的な面ばかり重視してしまい、働く目的そのものを失ってしまうからかもしれない。これは「人はパンのみにて生きるにあらず」と表現できるのだろう。
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