アレを設置しよう! ……コンビニをより「コンビニ」にするための提言
2008年08月24日 12:00
先に【コンビニ深夜営業規制を前提とした「市民会議」開催に反発・業界団体が出席拒否と営業継続を明らかに】などで触れているように、コンビニエンスストア(コンビニ)の24時間営業スタイルに対し、最近風当たりが強い。そこで、これまでの記事の中から色々と材料を拾い集め、いかにコンビニを一層「コンビニエンス(便利)」にし、24時間営業の必要性を高めることができるのを考えてみることにした。
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【コンビニの便利さ四大要素「深夜の買い物」「ATM」「トイレ」に「公共料金支払い」】でもコメントしたが、現在のコンビニは「多種多様な商品が手に入る便利な場所」よりも「多種多様なサービスを受けられる便利な場所」という意味合いが強い。「商品」ならば100円ショップやスーパーなども似たような立ち位置になりつつあるからだ。
また同記事にもあるように、コンビニの便利さは「深夜営業」「現金の預け入れ・引き出し」「トイレ」「公共料金支払い」などに集約される。それより順位が低い「宅配便の利用」「イベントチケットなどの購入」も合わせれば、「公共料金支払い」は「各種サービスの総合受付」と言い換えることができるだろう。
さて「24時間営業」という観点から、コンビニ以外の「業務時間について不満の多い事業体・窓口」を見てみると、【「朝7時から夜8時まで」! 公的機関に求められる営業時間】の調査結果にもあるように、「病院・医院」「銀行窓口」「市役所・区役所」の3つが上位に来ている。この3事業体とコンビニとの関係を改めて見ると、
・病院&医院……薬販売制度の導入(来年4月の薬事法改正で、【セブンイレブンと調剤薬局のアインファーマーシーズが資本業務提携・コンビニ内での大衆薬販売を模索】参照)
・銀行窓口……ATMによる現金の出し入れ、公共料金などの支払い窓口提供、両替機の導入(【24時間365日両替します・セブンイレブンに両替機設置】)
・市役所&区役所……?
といった形になり、市役所や区役所のような「役所事業」以外はコンビニである程度代替されていることが分かる。
もし仮に「役所事業」の一部でもコンビニで出来るようになれば、「普段市民が『営業時間が短い』と不満を持つ三大サービスすべて(のそれぞれ一部)が、コンビニでフルタイムに提供されうる」ことになり、まさに「フルタイム・サービス・コンビニエンス」な店として住民の生活に貢献しうることになる。
では「市役所や区役所の業務の一部」をどのようにコンビニで行わせるのか。店員・アルバイトに窓口業務を行わせるのは難しい。せいぜい現行の、公共料金の支払い手続きくらいなもの。そこで考えられるのは「人に作業させるのが難しいなら機械に任せればよい」。そう、自動販売機を導入すれば問題は無くなる。
幸い最近では【多くの役所において】「証明書自動交付機」が導入されつつある。住民基本台帳カードや磁気カードタイプの印鑑登録証、あるいは専用の利用カードを使うことで、「印鑑登録証明書」「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」「戸籍謄本・抄本」などが自販機経由で入手できるというものだ。
コンビニに設置して
「印鑑証明」「住民票」などが
手に入るようになれば
営業時間の短さから不満の多い
三大公共サービスすべてを
部分的ながらカバーできる
この「証明書自動交付機」そのもの、あるいはそれと類するものをコンビニに設置する。これにより、事前に一度準備(利用カードなどの発行)さえしておけば、24時間いつでもお役所におもむく理由として一番であろう用事「各種証明書の入手」ができるようになる。
「証明書自動交付機」生産元の一つ【昭和精機の説明ページ】を読む限りでは、既存のATMなどと同程度のメンテナンス、設置スペースで運用が可能。ただでさえ狭いコンビニ内に、どのようにしてあと1つATMサイズの器材を置く場所を確保するかが問題なくらい。
この「証明書自動交付機」が設置され、印鑑証明などがコンビニで手に入るような仕組みを作ることが出来れば、「営業時間が短い」と不満の多い上位「病院・医院」「銀行窓口」「市役所・区役所」3事業体のそれぞれの業務の一部すへでを、コンビニがフルタイムでまかなえることになる。地味だが、「便宜性の提供」という効果は絶大なものとなるだろう。
「エネルギーの無駄云々」については【店舗全体は7%、照明機器は50%の電力消費量削減に成功・ローソンが全部の新店舗でLEDを採用へ】にもあるように、LEDの導入などで対応が可能。さらに例えば平屋作りスタイルが多いコンビニの特徴を活かし、平らな屋根の部分に太陽電池でも敷き詰めて電力の一部をまかなうなどの手もある。
色々な他事情から「24時間営業」を目の敵にする感が強い(「エコロジー」は御旗のような大義名分に過ぎない)「コンビニ深夜営業自粛・中止問題」論争。しかしむしろ発想を逆転し、コンビニならではの特徴として有効に利用できるものを考えていくべきだろう。
(最終更新:2013/08/03)
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