自前の農地で地産地消&循環農業の仕組みを・イトーヨーカ堂が農業生産法人設立

2008年08月22日 06:30

セブンファーム富里イメージ【セブン&アイ・ホールディングス(3382)】傘下のデパートであるイトーヨーカ堂は8月21日、同グループとしては初めての農業生産法人となる直営農場「セブンファーム富里」を千葉県富里市内に設立、自前の野菜生産と完全な循環農業を目指すと発表した。生産した野菜を千葉県内の各店舗で販売する。

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「完全循環型農業」のしくみ
「完全循環型農業」のしくみ

「セブンファーム富里」は、富里市農業協同組合が10%、同組合組合員が80%、イトーヨーカ堂が10%を出資して設立。野菜の生産は組合員とイトーヨーカ堂社員が担当。当初は2ヘクタールほど(2万平方メートル)だが来年春には2倍の4ヘクタールに拡大予定。まずは大根・キャベツ・にんじん・ほうれん草・小松菜の露地野菜5品目を栽培し、今後品目を増やしていく。初年度は130トンほどの野菜を収穫する予定で、出来た野菜は逐次千葉県内店舗で販売していく。

販売する店舗では食品の残さから堆肥を作り、セブンファーム富里に提供。野菜の育成に役立てることで、循環型農業の構成を行うことになる。

セブンファーム富里イメージこの「循環型農業」の仕組みを作ることでイトーヨーカ堂側では、農業・農作物の安全・安心度合いを高めると共に、食品の無駄を省き、さらには地域活性化や生産性の向上、将来的には食料自給率の上昇にも貢献を果たすとしている。

一部報道によれば流通大手が自ら農業生産法人を設立するのは初めて。今回は千葉県での設立となったが、今後埼玉と神奈川の両県での設立も検討。さらに3年程度で約10法人の設立を目指しており、北海道、東北、中京地方も候補地に挙がっているとのこと。

各地域毎の農協と共同し、その地域の農場で出来た野菜を、その地域の店舗で提供するとなれば、流通機構が間に入るもののまさに「地産地消」を地で行く仕組みといえる。さらにリサイクルを行って「循環の仕組み」を作るあたりが面白い。

これらの試みは生産性やコストの面では、これまでの仕組みとむしろ逆行するようにも見える。しかし【「高くても買う!」食品プレミア三大要素は「国産」「鮮度」「無添加」】などにもあるように、国産品・地産地消・安心や安全が見える食品にはプレミアがつく昨今、生産性はともかくコストの面では十分に採算が取れるものとして目論見がたつ。今後どこまでアピールを重ね、有益性を喧伝し、コストを抑えられるかがポイントになるとこだろう。

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