「高くても買う!」食品プレミア三大要素は「国産」「鮮度」「無添加」
2008年08月21日 12:00
gooリサーチは8月19日、食品の安全に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると、食品において「この要素がある場合、どの程度の価格高でも買うか」という「価格プレミア」の点で問い合わせたところ、「国産」がもっともプレミア度が高いことが明らかになった。たとえ5割以上高くても「国産なら買いたい」人が8.0%もおり、「国産」要素がいかに権威を持っているかがうかがえる(【発表リリース】)。
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今調査はgooリサーチモニターのうち食料品を週一回以上購入している人を対象にインターネット経由で行われたもので、調査期間は6月27日から7月1日。有効回答者数は1059人。男女比は521対538で、年齢階層比は24歳以下が152人、その他25~34歳・35~44歳・45~54歳・55~64歳・65歳以上でほぼ均等割り当て。
「価格プレミア」について尋ねたところ、もっともプレミア度が高いのは「国産」要素で、何らかのプレミアを感じている人は実に8割に登っている。そして過半数の人は「1割程度なら価格が高くても買いたい」と感じている。
価格プレミア
「国産」「鮮度」「無添加」
「国産」のプレミア度の高さは、そのプレミアの額面からも明らか。「3割増でも買いたい」という人が2割強、そして「5割増でもOK」な人が1割近くもいる。例えば1つ500円のお弁当と同じおかず・ボリュームのものを「純国産素材」で1つ750円にて売り出した場合、100人のうち8人はそれでも買うという計算だ。……案外ありえる話ではある。
「国産」に続きプレミア度が高いのは「鮮度」「無添加」「ブランド力」。ここまでが「価格が高ければ買わない」人が4割を切っている範囲。仮に「国産で鮮度がよく無添加でブランド力のある企業の食品」なら、一体どこまで値を上げても大丈夫なのだろうかと考えてしまう。
気になるのは「国産」「鮮度」「無添加」がいずれも食品の構成内容に関する項目であるのに対し、「ブランド力」は発売元の信用性に関する内容であること。鮮度はいくぶん見た目で分かるが、国産かどうか、無添加かどうかは見ただけでは分からない。消費者にとって「国産」「鮮度」「無添加」の要素を判断するのはいずれも発売元の表示に頼ることになる。ここ数年来、消費者の期待を裏切るような食に関する事件(賞味・消費期限の偽装や産地偽装など)が相次いでいるだけに、食品の「プレミア度」を裏づけするものとしての「ブランド力」がクローズアップされているのだろう。
食品価格の高騰が消費者の生活を厳しくしている昨今。同時に食生活そのものを見直すきっかけを与える事件も相次いで起きたことで、「口にする食べ物をしっかりと見つめ直そう」という機運が高まっている。安全や安心を追い求める動きもその一つ。【国産食品なら割高でも良い額は●●%・高まる国産への期待】や今回の調査結果からも分かるように、その食品の「プレミア度」具合で、現行価格より割高になっても消費者は手に取る意思を見せている。
食品メーカーとしては単に「原材料や原油価格が急騰したので値上げします」ではなく、消費者側の「プレミアがあるのなら余計にお金を払っても良い」という意向を踏まえ、創意工夫をした上で価格改定を行うべきだろう。すでに一部メーカーでは価格改定に伴い素材を国産品のものに変更したり、味を改善したり、工程を改善して舌触りをよくするなどの「プレミア」を上乗せする工夫を凝らしている。
中長期の視点で見た場合、単に値上げをする企業よりは、状況に臨機応変に対応する企業の方が消費者の支持を集めることは間違いないだろう。
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