新興国のモバイル利用はゲームやエンタメ系が率先する

2008年08月17日 12:00

モバイルイメージ調査会社のニールセン・カンパニーは8月14日、モバイル市場が成長しているBRIC諸国を中心とした諸外国のモバイル(≒携帯電話)事情に関するデータの一部を発表した。それによると、米英諸国の利用傾向と異なり、BRIC諸国ではエンターテインメントをテーマにしたサイトに人気が集まっていることが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。

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今データはニールセンが発売する「モバイル・メディア市場レポート(Mobile Media Marketplace report)」から一部抜粋の形でリリースとして発表されたもの。また「BRIC諸国」とはブラジル、ロシア、インド、中国の4国を指す。

同リリース発表による、モバイル・インターネットによるウェブサイトの利用率上位5カテゴリは次の通り。

モバイル・インターネット・ウェブサイトの上位5カテゴリ
モバイル・インターネット・ウェブサイトの上位5カテゴリ

項目がばらばらなのでグラフ化しても視野的に分かりづらいため、元の表に色づけをしてみた。緑がビジネス、黄色は一般趣味趣向、赤はIT系ゲーム・エンタメ系のカテゴリを示している。

このように視覚化してみると、欧米では主にビジネスユースでモバイル端末を用いてインターネットにアクセスしているのに対し、BRIC諸国ではエンタメ・ゲームにお熱であることが分かる。表上にはないが、アメリカでは「エンターテイメント」は8位、「音楽」は9位、「ゲーム」は10位と低位置にとどまっているとのこと。

つまりこの調査結果からは

・欧米……ビジネスユース、情報源(≒仕事)
・BRIC諸国……エンタメ、ゲーム(≒遊び)


として主にモバイル端末を利用していることが分かる。

この理由としてリリースでは

「欧米では昔からパソコン向けのブロードバンド環境が普及しており、エンタメ系サービスの要望に応えてきた(から、モバイルでわざわざする人は少ない)」
「BRIC諸国ではパソコン向けブロード環境のインフラ整備がまだ発展途上。そこで、代替手段としてモバイルが利用されている(特にエンタメ系において)」


と分析している。

この分析からすると、ブロードバンド・インフラが普及していない他の地域、例えば中東やアフリカ、東ヨーロッパでも似たような現象がおきそうなものだが、案の定市場争奪戦が起きているようだ(一例【IT Pro:アフリカで巻き起こる携帯市場争奪戦】)。

制限は色々と多いものの、手軽さではパソコンをはるかに上回るモバイル・インターネット。日本国内の一部サービスでは「モバイル利用者>>パソコン利用者」という現象が起きているが、新興国でモバイル・インターネットの普及が加速度的に進めば、それがむしろ普通になるのかもしれない。そして、どの国でも市場拡大を率先するのは、ゲームや音楽、スポーツなどのエンターテインメントなのだろう。

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