モバイルサイトのアクセス誘引、最重要要素はアレをしてもらうこと
2008年08月13日 08:00
Webマーケティングガイドは8月12日、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアと共同で「一度でも訪れたことのあるモバイルサイトへのアクセス方法に関する調査」を行いその結果を発表した。それによるとモバイルサイトへのアクセス方法は「ブックマーク・お気に入り」を使う傾向がもっとも強いことが明らかになった。携帯電話向けサイトの運営側にとっては、いかにブックマークをしてもらうかがリピーターを得るための最重要課題となることが裏付けられた形だ(【発表リリース】)。
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今調査は7月25日から28日までの間、15歳から49歳の携帯電話利用者345人を対象にて携帯電話経由で行われたもの。有効回答数は345人。男女比は1対1、年齢階層比は非公開。キャリア比はドコモ53.9%、au36.5%、ソフトバンクモバイル9.6%。
まず、「過去に一度でも利用したことがあるモバイルサイト」に移動する時、どのような方法を使うかを複数回答で尋ねたところ、「ブックマーク・お気に入り」を使う人がもっとも多く全体の8割以上を占めていた。
「過去に一度でも利用したことがあるモバイルサイト」に移動する時、どのような方法を使うか
最近携帯電話向けのサービス・利用者の動向が注目されている検索エンジンが4割以上と、こちらも気になる結果が出ているが、それでも「ブックマーク」の半分に過ぎない。また、入力手法としては状況次第で他の方法よりも簡単な場合すらある、そして携帯電話ならではの「QRコード」は33.6%と案外低いことも分かる。
何にしても「ブックマークなどの利用率」が83.8%というのはきわめて高い値で、注目に値する。10人携帯電話利用者がいたら、8人以上はブックマークを使って同じサイトに2度以上アクセスする(リピーターとなる)ことを意味するのだから。
それでは「もっともよく」使う、サイトへの移動方法は何だろうか。やはりというか当然というか、「ブックマーク・お気に入り」を使う人が一番で、こちらも8割以上を占めた。
「もっともよく」使う、サイトへの移動方法(「もっとも」という設問に複数回答方式を用いるのはいかがなものかと思うが……)
恐らくはパソコンと同等、あるいはパソコン以上にブックマークの利用率は高いだろう。「一度でも利用したことがある」の選択と同じ事情だが、「入力が面倒なのは避けたい」という携帯電話ユーザーの切なる思いが表れているものと思われる。
パソコン・携帯電話を入力面から比較すると、URLの直接入力はもちろん表示されているURLのコピー&ペースト、さらには検索エンジンにおける検索キーワードの入力においても、パソコンより携帯電話の方が手間がかかる。すぐに結果が出ることを求める傾向が強い携帯電話利用者にしてみれば、「面倒なことは出来るだけ避けて、すぐにでも結果(求めるサイト)にたどり着きたい」願望が強い。したがって、選択から結果がすぐに出てくるブックマークが、パソコン以上に重宝されるのだろう。
これはサイト運営者の立場からすれば「いかに利用者にブックマークをしてもらう」かが、利用率・利用客数を高める最大のポイントということになる。パソコン向けサイトでは昔から画面上のボタン一発でブックマークが出来る「仕組み」が多用されてきた。しかし携帯電話では本体自身のブックマーク機能が簡単な操作ですぐに使えることから、専用タグの提供は行われていない(auではサポートしているが、ドコモ・ソフトバンクモバイルでは未対応)。
パソコンサイト以上に
「いかにブックマークしてもらうか」が
重要なポイントとなる
サイトの機能としての提供が不可能である以上、「ブックマークをしてもらう」=「何度でも繰り返し行き来する価値のあるサイトだと利用者に認識させる」ことが、モバイルサイトには求められるに違いない。
なお冒頭でも触れているが、他調査(例えば【携帯電話でも白熱する検索バトル、現在はヤフー優勢】)と比較すると検索エンジンの利用率が低い値となっている。これは元々検索エンジンが「知らないサイトを探し出すため」に利用されているからだと思われる。
設問はあくまでも「一度以上利用したことがあるサイト」へのたどり着き方。パソコンでなら【ヤフーの検索ワードランキングに見る「検索エンジン」の使われ方】でも語ったように「ブックマークのような使い方」が検索エンジンで行われるが、携帯電話の場合「入力も出来るだけ少なくしたい」という思惑が大きいため、この方法は避けられがち。擬似ブックマークとして検索エンジンを使うくらいならブックマークそのものを使う、ということなのだろう。
(最終更新:2013/08/03)
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