今冬に多くの人が使うかもしれない木のマキ代替品製作器「紙与作」

2008年08月12日 06:30

紙薪イメージ去年の冬は灯油が大きく値を上げ、暖房が言葉通り「生死を分かつ」北海道や東北では少しでも暖房費を節約しようと、色々な工夫が試みられたことを耳にした。その中の一つに「古新聞紙を固めてマキ(薪)代わりにする」という面白い道具があったのだが、あまり気にもせずその場では忘却の彼方に追いやってしまった。しかし【東京都内のガソリン・灯油価格をグラフ化してみる】にもあるように、このまま事が進めば今年の冬は去年以上に「厳しい」冬となるのは必至。そこで「今のうちに冬に備えて新聞紙をマキにするアイテム」を確保する人のために、再度調べ直して紹介することにした。その商品の名前は紙与作。木こりで有名な与作は木でマキを作るが、この道具は紙でマキを作ることから名づけられたようだ。

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紙薪つくり器~紙与作~
紙薪つくり器~紙与作~

「紙与作」の正式名称は「紙薪つくり器~紙与作~」。横文字表記は「ペーパーログメーカー」。翻訳すれば「紙・マキ・製作器」とそのままな形。仕組みはそれほど難しくなく、古新聞紙を水で溶かしてドロドロにし、それを「紙与作」で圧縮。10日ほど乾燥させて水分を飛ばし、固形状の紙のかたまりにしてしまうというもの。

使用する新聞紙は1度に20枚分前後。これで「紙与作」にぎっちりと材料としておさまる量。圧縮させて水分を絞りとり、さらに乾燥させれば「紙マキ(ペーパーログ)」が完成する。ちなみに完成時の重さは400グラムほど。ガチガチになるほど圧縮させただけあり、燃焼させた場合は普通の紙のようにすぐに燃え尽きるわけではなく、1時間半ほどかけてゆっくりと燃焼するとのこと。







新聞紙を水で溶かして「紙与作」に詰め、思いっきり圧縮してブロック(紙マキ)を作り乾燥させる。まるでレンガ造りのようでもある。
新聞紙を水で溶かして「紙与作」に詰め、思いっきり圧縮してブロック(紙マキ)を作り乾燥させる。まるでレンガ造りのようでもある。

注意事項がいくつか。圧縮時に「紙与作」の稼動部分に手などをはさまないようにするのはもちろんだが、使える材料は基本的に新聞紙であることにも留意する必要がある。カラーチラシなどは有害成分が発生する可能性から、材料には使えない。また、普通の木材製マキと同じように煙が出るので、排煙設備が整わない環境では使用を控えた方がよい。

さらに、強く圧縮して十分に乾燥させても、どうしても少しは水分が残ってしまうので、火力そのものは木のマキよりも多少弱め。公式ページにあるように、木のマキ2/3・紙マキ1/3の比率で使い、木のマキを1/3節約すると考えた方がよい。


メーカー提供による紹介動画。このような素材が公開されているのはありがたいお話。

元々紙与作は「捨てたり業者に回収してもらう」新聞紙を燃料として再利用するのが目的。わざわざ新聞紙を買ってきたり古新聞を有料で回収し、「紙まき」を作った場合の採算性は考えられていない。あくまでもリサイクルの精神にのっとり、活用していこうというあんばい。

当方のように、マキを使う機会が無い人には残念ながら無用の長物でしかない。一方で、マキを使って暖を取れる器材(例えばマキストーブやだるまストーブなど)を保有している人、農業用のビニールハウスの加温・加湿器にマキを使っている人は重宝することだろう。

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