外人に 声をかけられ どう対応? 五人に二人は 無理やり日本語

2008年08月08日 06:30

外国人に話しかけられるイメージ文化庁は8月1日、2007年度における「国語に関する世論調査」の結果を発表した。それによると、過去一、二年の間に日本国内で外国人から話しかけられた経験のある人は4割強にのぼることが明らかになった。そして話しかけられた人のうち(相手が日本語が理解できるか分からないのに)日本語で応じた人が4割強に達していることが分かった。ただし英語で回答した人は前回の2001年からわずかではあるが割合が増えており、それなりに英会話など他言語コミュニケーションに努力をしている人が増えていることもうかがわせる(【発表ページ】)。

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今調査は毎年文化庁が、日本人が用いるさまざまな言葉の意味の理解度や意識に関する調査を行い、国語の施策を進める上での参照データとするために行われているもので、全国16歳以上の男女を対象にしている。調査方式は個別面接調査で、今回の調査は3月1日から20日までの間に3445人に対して行われ、回答数は1975人だった。

この1~2年間に、日本国内で外国人から話しかけられた経験のある人は全部で43.2%。しばしばある人も8.3%と1割近くに達していた。

この1~2年間に、日本国内で外国人から話しかけられたことは?
この1~2年間に、日本国内で外国人から話しかけられたことは?

10人に4人までが、この1、2年の間に外国人から話しかけられたことがある、という計算になる。ちなみに何語で話しかけられたかについては、日本語が3割足らず、英語が4割強、日本語と英語が半々くらいが2割強、その他の言語が1割未満となっている。前回調査(2001年)と比べると英語の割合が増え、日本語の割合が減っているとのこと。

さてそれでは、話しかけられたことがある人に「どのように対応したか」を聞いてみた。具体的には「どのような言語で」だが、相手がしゃべっている(≒理解できる)のが英語か日本語かを見極めた上で、日本語・英語を使い分けた人は3割強に達していた。

外国人に話しかけられたときの対応(言語について)
外国人に話しかけられたときの対応(言語について)

他に、「とりあえず相手は外国人だから英語で話せば大丈夫だろう」とばかりに英語で応じた人が2割足らず。そして(相手が外国人で日本語が分からないかもしれないが、自分も英語は分からないので)とにかく日本語で対応した人が41.3%に達していた。外国人が日本語を分からないふりをする時の演出として、テレビなどでよく使われる「ワタシ ニホンゴ ワカリマセーン」ではなく、「ワタシ ニホンゴシカ ワカリマセーン」状態なわけだ。


データを見返してもらえば分かるのだが、話しかけられたとき「なるべく応じないように」「応じなかった」はほとんどいない。自分の言語上の力量の限界を知った上で、それでも何とか相手に(日本語で)答えようとする健気な人たちのいかに多いことか。「日本人は外国人に対して閉鎖的・不親切」という意見も時々耳にするが、少なくともこのデータからはそのような結論は導き出せない。

「話しかけられても応じない」は
ほとんどゼロ

「日本人は在住外国人に
閉鎖的・不親切」は
当てはまらない

一方、相手がせっかく声をかけてくれたのに、それに満足できるような応対ができないと、質問した外国人はもちろん、受けた側(この場合は日本人)も気落ちしてしまうもの。そしてこのような気まずい状況を避けるためにも、言語による意思疎通は欠かせないものだが、そのためには両者が共通の言語を知っている必要がある。これについては実に78.8%と8割近くの人が「日本に在住する外国人には、日本人と会話する時は日本語を使って欲しい」と考えている。

日本には「郷に入りては郷に従え」ということわざがある。英語ならほぼそのままの意味として「When in Rome do as the Romans do(ローマではローマ人のする通りにせよ)」。日本人も努力は続けている。在住の外国人にも、同じように努力をしてほしいものだ。

あるいは「日本人のほとんどすべてが持っている携帯電話」に何らかの形で翻訳機能でもつけば、この言語差異によるコミュニケーションの問題は、ある程度解決するのかもしれないが……。

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