雑誌読む 時間は意外に 就寝前 通勤通学 あまり読まれず
2008年08月04日 12:00
インターネット調査会社のマイボイスコムが7月23日までに発表した調査結果によると、雑誌が読まれている時間は20時~23時の就寝前がもっとも多いことが明らかになった。出社・登校時の7時~8時、帰宅時の17時~19時の時間帯の割合は他の時間帯とあまり変わりがないが、雑誌が読まれる状況が「自宅でくつろいでいる時」がもっとも多く、通勤時を挙げた人がさほどいないことが原因と思われる(【発表リリース】)。
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今調査は7月1日から5日までの間にインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1万4191人、男女比は46対54、年齢階層は30代がもっとも多く37%、ついで40代30%、50代・20代の16%など。
雑誌を普段読む人に、複数回答で「読んでいることが多い時間帯は」と尋ねたところ、20時から23時の就寝前の時間帯がボリュームゾーンとなった。
雑誌を読んでいることが多い時間帯
先に【読まれる雑誌、男性はジャンプで女性はオレンジ】で挙げたように、特に男性に愛読される漫画週刊誌や情報誌などは、新聞などと共に通勤・通学時に電車やバスの中で読まれるシーンが容易に想像される。しかしこの時間帯に「読んでいることが多い」人が突出して増えている様子はない。調査母体の約半数が女性で、男性と比べて「通勤・通学」の機会が少ないにしても、「増えている」傾向すら見られないのは不思議な気がする。ほとんどの人は夕食の後の自由時間にお目当ての記事に目を通すため、あるいは暇つぶしのために雑誌を読むのだろうか。
その疑問を解消するのが次の設問。「雑誌をどのような状況で読むか」について尋ねたところ、過半数の人が「自宅でくつろいでいる時」と答えている。
雑誌をどのような状況で読んでいるか
他の回答から抜きん出て、唯一過半数の同意があるのが「自宅でくつろいでいる時」。「夜寝る前」とあわせると、いかに多くの人たちが「雑誌の閲読時間」を夕食後の自由時間でまかなっているかが分かる。
一方で通勤・通学時と想定される「美容室や病院、駅などの待ち合わせ時」「電車やバスなどの移動中」はそれぞれ2割強、2割弱しか回答者がいない。男女合わせての結果とはいえ、普段思われているほど「通勤・通学時に雑誌は読まれていない」ことが分かる。
主役だった「雑誌」の立場は
新メディアの3K
(携帯ゲーム機、携帯電話、携帯音楽プレイヤー)
にその座を奪われてしまった。
数年前までは「電車内で漫画雑誌を読むのははしたない。ましてや成年や中堅サラリーマンが読むなんて……」という風潮が一部に広まっていたのを覚えている人は多いだろう。しかしいつの間にかそのような声は聞かれなくなってしまった。実際に通勤・通学で電車やバスを利用している人なら分かるだろうが、雑誌の立ち位置はあらかた携帯電話と携帯ゲーム機、そして携帯音楽プレイヤーの3K(携帯)にとって代わられてしまったからだ。
雑誌そのものが読まれなくなりつつある傾向なのは【2年間で「雑誌を購入しない」層は8.5%増加】で触れたとおり。雑誌そのものの内容・魅力にも問題はないとはいえない。しかしそれより大きな要因の一つは「通勤・通学時の時間つぶしの主役の座を3Kに奪われた」点にあるのかもしれない。
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