デジカメを 持っているけど ケータイで! デジカメ利用は イベントの時のみ
2008年08月03日 12:00
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは7月31日、デジタルカメラ(デジカメ)の利用に関する調査結果を発表した。それによるとデジカメを持っている人は全体の8割近くに達するものの、多くは旅行など特殊なイベントの際にのみ持参し、普段持ち歩いている人はあまりいないことが明らかになった(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今調査は7月16日から7月18日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの会員に対して行われたもので、有効回答数は384人。男女比は53.1対46.9。年齢構成比は20代13.0%、30代49.0%、40代31.0%、その他7.0%。回答母体は「携帯電話を所有している」のが前提なのに注意する必要がある。
デジカメの技術進歩と価格競争のスピードはすさまじい。かつては100万画素もあれば十分・300万画素程度のものが10万円以上した時代もあったが、今や初心者向けのものですら200~300万画素、数万円で手に入る。ちょっと前なら報道用のプロ専用レベルの1000万画素級のものですら10万円台で購入可能に。
これも最大のライバルといえる携帯電話(のデジカメ機能)が進歩し、「わざわざデジカメを単独で買う必要が無くなった」状況になりつつあるから。望遠やフラッシュ、画質の調整など細かい機能を気にしなければ、200万・300万画素の性能を持つデジカメ機能が、ごく普通の携帯電話で使えるからだ。
いわば「おかぶ」をケータイに奪われつつあるデジカメだが、持っている人は全体の8割近くに登っていた。たとえ携帯電話に最初からついているとはいえ、デジカメ単体の価格も安くなったのが普及率の高さを後押ししたのだろう。
デジカメを持っているか・使用スタイルもあわせて
男女の差異はあまり無いが、年齢階層別ではやや興味深い傾向が見られる。若年層ほど「持っていない」割合が増加する一方、歳を経るにつれて「持っているけど普段は使わない(旅行などのイベントのみで使う)」人が増えているのだ。これは
・若年層……撮影はケータイにおまかせ
・壮年層……デジカメ買ったけど普段はケータイ、気合を入れる時にデジカメ
といった利用スタイルを持っているからだと思われる。
どんなに高性能・コンパクト化したとしても、デジカメはそれなりのサイズを保持しており、持ち運びには手間を伴う。すでに携帯電話を常備している人にとって、「さらに加えて」デジカメも日常茶飯事的に持ち歩くのは多少なりとも面倒くささを感じさせる。あらかじめ「これから写真を撮る」ことが明らかになっているイベント時ならともかく、日々の生活の中でデジカメをポケットに忍ばせるのは無理があるというもの。
・持ち運びに便利
・自分も被写体もお気軽
また、デジカメを使って写真を撮ろうとすると周囲から身構えられたり、妙に痛い視線を感じてしまうのもデメリットの一つ。一方で「ケータイを使って周囲を撮影」なら、非常識な状況でない限り、許容できる社会的な雰囲気が構築されつつある(そのような状況自身が「非常識」とする考えもあるが)。手軽な写真撮影を望むなら、性能云々は別として携帯電話を選ぶのも当然といえよう。
現在「撮影はケータイにおまかせ」な若年層が歳を経て中堅・壮年層に至った時、デジカメを改めて購入するようになるのか、それとも「ケータイおまかせ」状態が継続するのか。もし後者だとすれば、デジカメのシェアがますます携帯電話に食われる事態が、少しずつ、しかし確実に進行するのかもしれない。
スポンサードリンク
ツイート