「iPodが大人気だから」と特別仕様で作られた商品が猛抗議

2008年08月17日 12:00

「iPod用」イメージ「ウォークマン」がカセットメディアを使った携帯音楽プレイヤーの代名詞として用いられているように、昨今では「iPod」という商品名がデジタル携帯音楽プレイヤーを意味するものとして使われている。それほど多くの人に使われ、愛されている証拠でもあるのだが、その普及率を考慮して作られた商品が、多くの人から反発を受ける事態に陥っているとイギリスの【Mail Online】は伝えている。

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物議をかもしているマークス&スペンサー(Marks & Spencer)のブレザー
物議をかもしているマークス&スペンサー(Marks & Spencer)のブレザー

その商品とは学生向けのブレザー。自社ブランドの衣料品や雑貨をイギリスなどに展開する【マークス&スペンサー(Marks & Spencer)】がデザインしたものだが、何種類か用意されているブレザーの中に、「iPod」を納めるポケット付のものが新商品として提供されている。【男性向けのがこちら】【女性向けのがこちら】だが、通常のブレザーが15~24ポンド(3000円~5000円)なのに対し、「iPod」対応のが25~30ポンド(5000円~6000円)と多少高めに設定されている。

iPodを操作するコントロールボタンへの位置確認のための刺繍イメージ仕様としては「iPod」を収納しても妙なふくらみが生じないようなポケットデザイン、iPodを操作するコントロールボタンへの位置確認のための刺繍、イヤホンを固定するためのいくつかの輪っかなどが、通常のブレザーとの違い。要は「iPod」を装着することを前提したした機能が追加されているということ。

このブレザーにかみついたのが教育関係者。特にイギリス最大の教育者団体【NASUWT】は「このブレザーは子どもが教室でiPod(原文ではMP3プレイヤー。商品紹介のページでは「iPod」と表記されている)を聴くという、校則違反を奨励しているのか」と猛烈に反発している。

NASUWTの総書記Chris Keates嬢いわく、「学校に持ってきて良いのは筆記用具だけ。校則で禁じているにも関わらず、生徒は携帯電話やMP3プレイヤー、携帯ゲーム機まで持ってきてしまう。学業の邪魔になるのはもちろん、生徒間の盗難まで誘引してしまうやっかいなものたちばかり。それなのに、学生向けのブレザーでiPodが収納できるポケットなどを用意しているだなんて。校則違反を奨励しているのと同じだ」とのこと。

保護者も少なからずの人たちがNASUWTの意見に同意しており、「こんなポケットなどをつけるのは反社会的な行為に他ならない。自分の娘は欲しがるかもしれないけど、私は買い与えるつもりはないわ」とのHayley Hamlett嬢のコメントが元記事でも紹介されていた。

一方、当事者ともいえるSherri嬢(15、Hayley Hamlett嬢の娘)の醒(さ)めた感想も付け加えられている。

「確かにクールね、このブレザー。でも30ポンド(6000円)も出す価値はないわ。こんなポケットなどをわざわざ作ってもらわなくても、普通のジャケットにちょっとヒモを通すなどで工夫すれば、同じようなことはできるもの」


一見便利そうに見える「iPod用ポケット」。メーカー側としては「他商品と一味違う」とばかりに張り切って売り出したようだ(ブレザーページのトップには、耳にiPodのものと思われるイヤホンをつけた学生の写真が掲載されている)。しかし結局のところ利用者の保護者や教育者だけでなく、利用者自身にも”エレガンテ”には見えなかったようだ。

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