ガス高く ひと細る夏~ガソリン高などで84.1%が「自動車が負担」

2008年08月07日 08:00

自動車イメージJAF(社団法人日本自動車連盟)は8月5日、自動車所有者が持つ負担感に関する調査結果を発表した。それによると、ガソリン高や物価上昇で、自動車の保有や使用について「何らかの形で負担に感じる」人が84.1%に達していることが明らかになった。負荷度の高い選択肢「大変負担に感じる」も三人に一人の割合となり、その深刻さがあたらめて確認できる(【発表リリース】)。

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今調査は7月9日から31日までの間、JAFのウェブサイト上で行われたインターネット調査形式によるもので、有効回答数は1285人。18歳以上の自動車保有者を対象としているが、年齢階層や男女比などは非公開。

自動車を保有・使用する上での負担感は、「大変」「やや」をあわせて84.1%。負担感の大きい「大変」だけでも36.3%に達していた。

自動車を保有・使用するうえでの負担感
自動車を保有・使用するうえでの負担感

自動車を持っている人の実に「20人に17人」までもが「負担」と感じていることになる。

この「ガソリン価格の高騰で自動車保有・使用に負担を感じる」84.1%の人に対し、「自動車の利用方法」「普段の生活」それぞれについてこれまでとは変わったか否かを尋ねたところ、「自動車の使い方が変わった」人は実に7割にも達していた。

自動車保有に負担を感じているというが、それでは自動車の使い方や普段の生活に変化はあるか
自動車保有に負担を感じているというが、それでは自動車の使い方や普段の生活に変化はあるか

自動車そのものに負担を感じる人が自動車の使い方を変えるのはある意味当然といえるが、さらにそのうち3割もの人が日常生活にまで影響が及んでいると答えていることになる。

先の「ガソリン価格の高騰で自動車保有・使用に負担を感じるは84.1%」と乗じると

●自動車保有者のうちガソリン価格の高騰で
・負担を感じ、何らかの変化が生じた……64.7%
・負担を感じ、自動車の使い方を変えた……59.5%
・負担を感じ、普段の生活を変えた……25.3%


という結果が出てくる。つまり「自動車保有者でガソリン高により生活に何らかの変化が生じた人は三人に二人の割合」ということになる。


記事執筆時のWTI価格変動チャートイメージWTI(アメリカ南部などで産出される原油ウェスト・テキサス・インターミディエイト(West Texas Intermediate)WTIの先物価格。世界の原油価格の中で最も有力な指標で、他の産油地の原油価格にも大きな影響を与えている)価格が150ドル価格を間近にひかえた上昇を見せてから反落し、今や120ドルを割り込む展開となっているが、まだ先行きは不透明。さらにこの下落が日本の原油・石油製品価格に反映されるとしても、数か月先のこと。

幸いにも日本国内の主要地域におけるガソリン価格は1リットルあたり180~190円で推移し、【ガソリン価格の限界ラインは200円!?】などにもあるように「自動車を保有し続ける我慢の限界」をギリギリ下回るレベルでとどまっている。このまま高止まりが続けば、負担を感じる人の割合は増えこそすれど減りはせず、さりとて「自動車保有そのものをあきらめる」ほどの負担ではない状態が続くことになる。要は悪い意味での「ぬるま湯状態」が続くわけだ。

しかし考え方を変えれば、「自動車保有への負担、ガソリン高への不満」が継続すれば、それだけ代替エネルギーや車種へのニーズも継続・高まることとなり、この省エネ方面での技術開発も促進されることになる。負担そのものは決して善というわけではないものの、負担を感じている人もこのようにポジティブに考えることで、少しは気が晴れるかもしれない。


■関連記事:
【ガソリン価格200円で自動車を手放す人は5.5%、500円なら約●割】

(最終更新:2013/08/03)

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