高齢者はスポーツ盛り!? スポーツ時間がもっとも長いのは60歳代
2008年08月02日 19:30
総務省統計局は8月1日、社会生活基本調査と家計調査結果の調査を元に、スポーツ関係の状況に関する発表を行った。それによると、20歳以上の人で一週間にスポーツを行った時間を男女・年齢階層別で見た場合、男女共に60歳代がもっとも長い時間を費やしていることが明らかになった。平均で男性60歳代は2時間54分、女性60歳代は1時間43分との統計データが出ているとのこと。また60歳代のスポーツ時間はここ20年ほどの間に約6割増にまで伸びていることも判明している(【発表ページ】)。
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社会生活基本調査とは国民の生活時間の配分及び自由時間等における主な活動(「インターネットの利用」「学習・研究」「スポーツ」「趣味・娯楽」「ボランティア活動」「旅行・行楽」)について調査し、国民の社会生活の実態を明らかにすることを目的とした、総務省統計局が1976年以来5年ごとに実施している統計調査。調査結果は、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた行政施策などの基礎資料として利用されている。
2006年時点における、20歳以上の男女・年齢階層別の「一週間におけるスポーツ時間」の平均は次の通り。男女とも60歳がもっとも長い時間を示している。
20歳以上の男女・年齢階層別の「一週間におけるスポーツ時間」の平均
20歳代以降年齢の経過と共に少しずつ時間は延びているがさほどの違いは無く、60歳代になると突然スポーツをする時間が伸びている。理由そのものは元データでは分析されていないが、考えてみれば簡単で、「定年退職をしたために時間の余裕が出来、その一部をスポーツに割り当てた」ということになる。
スポーツ時間が急増するのは
定年退職で
時間に余裕が出来たため
ウォーキングやゲートボールなど、世の中には高齢者向けのスポーツも山ほど用意されている。また、定年退職後にのんびりとゴルフ三昧、吊りで太公望の気分を味わうのも良いだろう。それら「スポーツ」の時間が加わるので、60歳代以降は急にスポーツの時間が増えることになるわけだ。
なお、定年退職後の「悠々スポーツ人生」については、20年の間により活性化している様相が見られる。
20年前からの主要年齢層のスポーツ時間の推移(定点観測、表記が整数部分は時間、小数点部分が分であることに注意)
中堅層の40~59歳は微妙な伸び、20~39歳の若年層はむしろ減少している傾向にあるのに、60歳以上は順調な伸びを示している。この20年間で約1.60倍に増加している。高齢者向けのスポーツが普及・一般化すると共に、時間的にも金銭的にも余裕が出来てきたこと、健康志向が広まったからだろう。また、スポーツクラブなど、高齢者向けのスポーツレジャーを楽しむ環境も整備されたのも大きな要因と思われる。
今後高齢化社会が進行するにつれ、この年齢層のニーズも相対的に増加することになる。高齢者用のフィットネス倶楽部、化粧品などの需要も増加するに違いない。
逆に若年層のスポーツ平均時間が少しずつだが減少しているのは悲しい話。「時間に追われて多忙な生活を過ごしているから」という理由はあるだろうが、少しでもやりくりをして身体を動かす工夫を時間を作りたいものだ。
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