普及率 まだ3割の おサイフケータイ 満足な人は 7割近くも
2008年08月23日 12:00
楽天リサーチは8月21日、電子マネーに関する調査結果を発表した。それによると携帯電話を電子マネーの代わりに使える「おサイフケータイ」について、利用率は3割程度であることが明らかになった。一方で利用者の満足度は7割近くに達しており、今後さらに普及率が高まることを予見させる結果となっている(『発表リリース』)。
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今調査は7月18日から23日の間にインターネット経由で20~60歳代の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。年齢階層・男女比はそれぞれ均等割り当て。
今調査は電子マネーそのものに対する項目が大部分で、例えば電子マネーの利用率トップ3は「エディ」「スイカ」「ナナコ」であることや、電子マネーのサービスそのものに7割以上の人が満足していることなどが挙げられている。
電子マネーつながりで、携帯電話を電子マネーのカード代わりに使える「おサイフケータイ」の利用動向についても質問項目が用意されている。ちなみに「おサイフケータイ」とは言葉通り携帯電話がお財布になるような仕組みのこと。携帯電話内に埋め込まれたフェリカ(IC)チップで、携帯電話を使って読み込み機に触れずにかざすだけで電子マネーなどのデジタルキャッシュ的な使い方ができる。NTTドコモがシステム開発を行なったが、ライセンスを供与したため今ではauやソフトバンクでも用いられている。
おサイフケータイを利用しているか
「おサイフケータイを利用しているか否か」の問いには30.3%の人が「はい」と答えている。裏返せば「7割近くの人がおサイフケータイは使っていない」ということ。
7割近くの人が使っていないという結果について、元々手持ちの携帯電話に「おサイフケータイ機能が無い」のか、「機能はあるが使っていない」のかをこのデータから調べることは出来ない。1年近く前の別調査機関の調査ですでに「おサイフケータイそのものの所有率は全体では4割」(【おサイフケータイ率は全体で4割・ドコモの普及率は過半数に】)という値が出ていること、最新機種ではそのほとんどにおサイフケータイ機能が搭載されていることを考えると、少なからぬ人が「手持ちのケータイにおサイフケータイ機能が搭載されているものの、利用していない」状態であることが推測できる。
一方でおサイフケータイを利用している人に、その満足度を尋ねたところ、7割近い人が「満足」と答えている。
おサイフケータイに満足しているか(利用者限定)
「満足」派は合わせて66.0%。逆に「不満」派は9.3%と1割にも満たない。どちらでもない派が24.8%であることを考えると、一部不満を持つ人がいるものの「おサイフケータイ利用者は大体満足している」と見てよいだろう。
満足度は7割近くの
おサイフケータイ
普及率を高めるには
新規加入者の多い
ソフトバンクへの
プッシュが欠かせない
おサイフケータイについて、元々利用する・しなければならない理由から利用を始めた人も少なからずいるだろう。しかしそれを差し引いても、利用している人の多数が満足しているのも事実。利用していない人が過半数どころか7割を占めているのが現状だが、実際に利用した人のうち不満を持つ人がほとんどいないことから、今後じわじわと浸透率が高まるのは間違いない。
一方、先の参照データや今回の楽天リサーチのデータからも、おサイフケータイの普及割合はドコモ端末が高く、ソフトバンクモバイル端末が低い傾向が見られる。今調査結果ではおサイフケータイ利用数全体の12.5%がソフトバンクモバイル端末だが、現時点でソフトバンクモバイルの契約数比率は携帯電話全体の18.6%に達している。元々おサイフケータイはドコモの技術という事由もあるのだろうが……。
近年の携帯電話そのものの新規契約者数はソフトバンクモバイルが圧倒的に多い。普及率を高め、利便性をアップするためには、特にソフトバンクモバイルユーザーへの啓蒙と、機能搭載のプッシュが求められることだろう。
(最終更新:2013/09/01)
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