営業電話、9割近くが「すぐに切る」 最後まで聞くも4%近くに

2008年08月02日 12:00

営業電話イメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは7月31日、個人に対する営業電話に関する調査結果を発表した。それによると全体の9割近くが「営業電話を受けた場合、すぐに切る」一方で、3.9%ではあるが「最後まで話を聞いてしまう」人もいることが明らかになった。成否率として高いか否かは微妙なところだが、数%でも最後まで聞く人がいることが、営業電話そのものの存在価値を高めているのだろう(【発表リリース】)。

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今調査は7月16日から7月18日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの会員に対して行われたもので、有効回答数は384人。男女比は53.1対46.9。年齢構成比は20代13.0%、30代49.0%、40代31.0%、その他7.0%。

会社・法人に対して営業電話がかかってきた場合、その会社毎の対応マニュアルや業務方針、営業部局との絡みもあり、個人の判断で対応が決まることはあまりない。今件はあくまでも「個人(自宅)に営業電話がかかってきた場合」の対応に関する問い。その場合、全体では85.7%の人が「早めに断って電話を切る」「ガチャ切りする(相手に応答せずに受話器を置く)」と答えている。

個人に営業の電話を受けた時、どのように対応するか
個人に営業の電話を受けた時、どのように対応するか

全体で「つい最後まで話を聞いてしまう」という人は3.9%。これを「わずか」と見るか「高い割合」と見るかは電話の内容にもよるが、25人に1人が最後まで話を聞くことになる。ある消費者金融系の漫画で「100件営業電話をかけたら1~2件は引っかかってくる(具体的な話に進む)」というセリフ回しがあったが、それがあながち当てずっぽうではないことが分かるだろう。

年齢階層別や男女別の特性をまとめると次の通りとなる。

・男性の方が「ガチャ切り」の割合が高い。
・年を経るにつれて「最後まで話を聞く」割合が増える。
・40代は「ガチャ切り」「最後まで聞く」共に割合が高く、さらに「営業電話を受けたことがない」人も多い。


男性の方が「ガチャ切り」が多いのは、営業電話に対して強い態度で望めるからだろう。女性は「変に逆切れされたらどうしよう」という恐怖感が大きいのかもしれない。

また、年を経ると「最後まで聞いてしまう」割合が増えるのは、時間をもてあましたり対人関係においてさみしさを感じる人の率が高くなるからだと思われる。今調査では40代までに限定されているが、仮に50代・60代に同様の問いをしたら、恐らく「最後まで聞く」の率はもっと高くなるに違いない。このあたりの心理は【100円パンやミソで高齢者を釣り上げ・SF商法業者7社に東京都が業務停止命令】でも触れているSF商法周りと大きく変わるところがない。

それでは営業電話自身に対してはどう考えているのか。「迷惑」だとネガティブな反応を見せているのは「すぐに切る」割合とほぼ同じ8割近くに達している。

営業電話そのものに関してどう思うか
営業電話そのものに関してどう思うか

男女では女性の方が、年齢別では若年層の方が「仕方ないよね」という思いが強く、高齢者ほど「迷惑」と感じて否定的なことが分かる。これは若年層で実際に本人(あるいは同僚など身近な人)が営業電話をかけている立場で、(実際受けた場合の対応はともかく)心境的にあまり強い反発は出来ない場合があるのだろう。


営業電話も多種多様なもので、中には本当に受け手にも有意義なものもあるが、大抵においては「じゅうたん爆撃的なものの一つ」に過ぎない。電話を受けた時点で受け手側は貴重な時間を「浪費」していることになるのだから、相手の事情など気にすることはなく、「不必要」と判断した時点で電話を切ってもかまわない。営業電話をかけた側も次の相手に時間を費やせるわけで、その方がプラスとなるのだから。

また、今統計データだけでは断定は出来ないが、一般的に「中堅・高齢者は、営業電話には強い拒否感を抱いているものの、一方で一度関心を寄せてしまうと最後まで耳を傾け、口車にのってしまう確率も高い」ということになる。繰り返しになるが、高齢者が一度SF商法にのめり込むと、ついつい深みにはまってしまうのも似たような傾向によるものなのだろう。高齢者に限らず、心当たりのある人は十分に注意してほしいものだ。

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