主婦たちが肌身で感じる不況感・節約意識は9割を超えて

2008年08月31日 12:00

主婦の買い物イメージ女性、特に主婦層のマーケティングを行うハー・ストーリィは8月28日、主婦層の景気感と節約行動に対する調査結果を発表した。それによると主婦が日ごろの生活で感じる景気の悪化感、家計のひっ迫感は約8割を数え、1年後に生活がしにくくなると感じている人も7割を超えていることが明らかになった。そのような生活環境の悪化の中で、節約意識も高まっており、意識した人は9割超・実際に行動している人も7割に達しているという結果が出ている。生活の最前線で切り盛りの毎日を続ける主婦にとって、不況感は現実味のある問題であり、節約も必要に迫られてのものとなっているようだ(【発表ページ】)。

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今調査は全国の主婦に対して4月28日に行われたもので、有効回答数は531人。年齢階層比は30代が45.6%、40代が35.8%など。

昨今の景気感、及び今後の生活に関するアンケート結果は次の通り。

日ごろの景気の悪化感
日ごろの景気の悪化感
1年前と比べて家計に余裕はなくなっているか
1年前と比べて家計に余裕はなくなっているか
これから1年後、生活はしやすくなっていると思うか
これから1年後、生活はしやすくなっていると思うか

一言で説明すれば「現在の景気は悪くなる一方。家計に余裕が無くなりつつあり、1年後はもっと生活が苦しくなっているだろう」と考えている主婦が多数を占めていることになる。多少の差はあれど、いずれの設問でも「苦しくなる・苦しい」と答えている層が7~8割を占めており、「変わらない」は1~2割程度に過ぎない。状況が改善している・改善に向かうと考えている人がほとんど居ないことをあわせて考えると、主婦層における景気・家計への切迫感は相当なものと思われる。

その上で、去年と比べて「節約」を意識するようになったか否かについて尋ねたところ、9割以上が節約を意識していることが分かった。行動を起こしている人も7割以上に達し、家計を預かる最高指揮官の主婦が、具体的な消費の節約行動に走っていることが実感できる。

去年に比べて節約を意識するようになったか
去年に比べて節約を意識するようになったか

「思っているが行動していない」は、まだ行動するほど強い節約意識を持っていないのか、あるいは具体的にどのようにすれば節約できるのかが分からないものと思われる。前者は景気がさらにひっ迫すれば「考えているだけ」から「具体的な節約行動に移る」ようになるだろうし、後者も節約意識の広まりと共に節約情報が喧伝され、手法を知ることになる。現在7割強の「節約を意識し、行動している」層は、(現状より生活がしにくくなるという人が73.6%を占めている)1年後には、8割前後にまで達するものと思われる。


具体的な事例や数字は別の機会に譲ることにするが、これら主婦の「不景気・節約」意識の高まりは、特に食品に関連が深い小売業界の動向と密接に結びついてくる。今日、別記事(【セブン&アイも安売り業態に進出「ザ・プライス」1号店「ザ・プライス西新井店」を29日に開店】)で紹介した、イトーヨーカードーの食品重点・安売り型の新形態店舗「ザ・プライス」も、節約志向が強くなった主婦層が大きなターゲットであることは容易に想像がつく。

売り手も買い手も
賢明さが求められる時代に

「必要は発明の母」という言葉があるが、景気の悪化という現状を見据えて主婦たちは節約の工夫を色々と生み出し、消費行動に反映させる。それに従い、彼女らを主な顧客としている小売業も、多種多様な工夫(新形態店舗の展開、携帯電話やネットチラシなどによるプロモーション)をこなしていくようになる。売り手も買い手も頭の回転の速い人ほど、上手に生活できる時代なのかもしれない。

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