食品価格の値上げ負担、「増えている」人は約9割

2008年08月02日 12:00

食品価格イメージエルゴ・ブレインズは8月1日、「食に関する調査」の結果を発表した。それによると、食品の価格についてとても気にしている人は全体の3割近くを占めていることが明らかになった。また、昨今の食品の値上げの負担について「増えている」と実感している人は9割以上に登っていた。消費者物価指数はさほど上がっていないように見えるが、生活に身近な食品価格の高騰が消費者の心境に大きな影を落としているのが分かる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は7月11日から16日までの間、インターネット経由で行われたもので有効回答数は1000人。男女比は57.1対42.9.年齢階層比は25~29歳が13.5%、35~39歳が11.5%など。

食生活に関する留意点で「栄養バランス」「国産品を食べる」「食品の価格」という重要な3項目においてそれぞれどれだけ気にしているかを尋ねたところ、以前の調査と比して「栄養バランス」「国産品を食べる」にはほとんど違いがなかったものの、「食品の価格」では大きな差異が見られた。わずか2か月しか経過していないにも関わらず「とても気にしている」人の割合が10.8ポイント(19.1%から29.9%へ)も増加している。

食生活に関する留意点
食生活に関する留意点

今回調査において「食品の価格」では「(普通に)気にしている」「どちらともいえない」「気にしていない」がそれぞれ数を減らしており、その分「とても気にしている」人が大幅に増加している。ぞれぞれの層が「気にしている」レベルを高めた(「気にしていない」が「どちらともいえない」、「どちらともいえない」が「気にしている」)だけでなく、少なくない人が「とても気にしている」に移行したものと思われる。

「食品価格が高騰した」と考えている人が大いに増えている。当然ながら、その価格高騰が家計に負担を与えていると考える人も多い。

食品値上げの負担を感じるか
食品値上げの負担を感じるか

「負担がとても増えている」と感じている人はわずか2か月で8.6ポイント、一年弱の去年11月からは実に30.6ポイントの増加。度合いを別として「増えている」という人そのものは去年11月から8割近くいて、その割合は最新の調査でも1割程度しか増えていないが、「負担の度合いの大きさ」を強く感じている人が急増しているのが分かる。

「増えている」派全体に占める「とても増えている」の割合
「増えている」派全体に占める「とても増えている」の割合

現実問題としていかに家計において食品の価格高騰が「切実に」プレッシャーとして働いているかが分かるだろう。


同調査では国産品・輸入品への意識の違いや食品安全性に対する調査もあわせて行われている。それを見た限りでは消費者全体、特に若年層の間に「多少高くても国産品なら妥協できる」という考えが広まり、その価格差も1~2割なら許容できるという意識が浸透しつつある。同時に自給率を向上すべきであるとの考えも増えてきている。

食品価格の高騰を目の前にし「投機市場に左右されやすく、いざとなると相手の意向に振り回される輸入品ばかりだと、実は問題があるのでは?」という認識が改めて高まってきたのが、これら食品に対する調査結果にも現れているのだろう。

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