高濃度のイオン発生装置で鳥インフルエンザを99.9%まで分解・除去~シャープ開発、商品に反映へ

2008年08月29日 08:00

新型インフルエンザイメージ【シャープ(6753)】は8月27日、ウイルス学の世界的権威の大学教授と共同で、同社が空気清浄機などに搭載しているプラズマクラスターイオンの高濃度版「高濃度プラズマクラスターイオン」が、浮遊する鳥インフルエンザ(H5N1型鳥インフルエンザウイルス)を10分間で99.9%分解・除去することを実証したと発表した。すでに2005年の段階で通常濃度のプラズマクラスターイオンが99.0%分解・除去することを確認しているが、今回さらに濃度を濃くすることで、感染確率をさらに1桁以上抑えることを証明した(【発表リリース】)。

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今調査結果はウイルス学の世界的権威であるロンドン大学ジョン・オックスフォード教授(Prof. John S. Oxford)が設立したレトロスクリーン・バイロロジー社とシャープが共同で行ったもの。「プラズマクラスターイオン」とはプラスイオンとマイナスイオンを同時に空中に放ち、浮遊する細菌やカビ、ウイルス、アレルゲンなどの表面に対し瞬間的にプラスとマイナスが結合して酸化力の非常に強いOHラジカルに変化。それが化学反応によって細菌などの表面のたんぱく質を分解し、働きそのものを抑制するという空気浄化技術。

現行の「プラズマクラスターイオン」(7000個/立法センチ)でも99.0%の除去が確認されていたが、今回高濃度(5万個/1立方センチ)ではその確率を1桁上げ、99.9%にすることを実証した。

通常のエアコンや
空気清浄機で
鳥インフルエンザが
99.9%まで除去・分解可能に。

今回の研究結果は、通常販売されているエアコンや空気清浄機の機能として添付可能な「高濃度プラズマクラスターイオン」の導入で、H5N1型鳥インフルエンザウイルスの高確率除去・分解が確認されたことを意味する。個人における「H5N1型鳥インフルエンザの変化型として発現しうる」新型インフルエンザ対策としては、まず高性能マスクが考えられるが、それ以外の「個人ベースの対策」として期待しうる。

エアコンや空気清浄機は通常の機能では各社ともほぼ横並びの状態。現状では安さや静穏性以外に、省エネ、メンテナンスの簡便さなど、各メーカーが独自のポイントを前面に打ち出し、競争している。今回のシャープによる「高濃度プラズマクラスターイオン」効果が、シャープの空気清浄機やエアコンに少なからぬアドバンテージをもたらすことは想像するに難くない。

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