投資指数は先月と比べて下落、過去最低水準…野村證券(8604)、2008年7月計測分の個人投資家動向を発表

2008年08月07日 08:00

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は8月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年7月発表分、PDF】)。投資家の個人市場観独自指数が過去最低水準におちいるなど、市場動向に対する意向が悪化し、投資家も取引を手控えている状況が見受けられる。

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今調査は1000件を対象に7月23日から24日に行われたもので、男女比は72.0対28.0。年齢層は40歳代がもっとも多く35.5%、ついで30歳代が24.3%、50歳代が21.9%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く25.5%、500万円~1000万円が18.5%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く30.3%を占めている。次いで5年以上が21.4%、1年から2年未満が17.3%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く47.8%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が30.6%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は先月と比べて下落、過去最低水準。もう一段の下落を見込む投資家が増加している。
・株式取引への意欲減退の傾向。取引の手控え。
・「市場への影響が考えられる要因」ではマイナス回答が多く、特に「国内景気・企業収益」項目ではDI値が過去最低。
・魅力的な業種は「情報、通信等」。「金融」はやや改善。
・約半数が議決権を行使。その中で約六割が全議決に賛成。


という形に。7月は6月以上に軟調な雰囲気の中で相場が展開しており、「さらに下げるのでは」という市場への不信感が全体をとりまいている。また、モメンタム的に「昨年のサブプライムローンショックと同じようなことが同時期に起きるのではないか」といった、「歴史は繰り返す」不安も市場を冷え込ませる一因に。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、上位5銘柄の多くは変わりがない。資源高で厳しい状況が伝えられる【東京電力(9501)】は今回も五位以内への復帰を果たせなかった。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……【ソニー(6758)】
3位……[任天堂(7974)]
4位……[ソフトバンク(9984)]
5位……[武田薬品工業(4502)]


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。トップの[トヨタ自動車(7203)]はもはや鉄板順位で間違いないはない。前月同様今月も第二位の【ソニー(6758)】との広がり、安全牌の様相を呈している。

今回のデータにあるように、7月には6月以上に「五里霧中の中、じわじわと下り坂を下っている」ような株価動向。日経平均株価は1万3000円台を割り込み、あとはそこをはさんだ攻防戦が続いている。直近三か月でみるとまさに「三尊」状態で、それを抜けずに失速した形。国内の景気動向も不安定なままであるし、国外要因も良いとは言いがたい昨今。直近の市場に対する手控え感が加速するのも仕方の無い話といえよう。

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