マクドナルド、値上げを正式に発表・8月20日から平均2.5%
2008年08月09日 12:00
先の8月7日における中間決算発表時の記者会見で、原材料費高騰を理由に自社商品の値上げを示唆していた[マクドナルド(2702)] だが、8月8日正式にその値上げを発表した。値上げ開始は8月20日。値下げ商品もあわせた全体的な値上げ幅は全国平均で2.5%程度となる(【発表リリース】)。
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これは7日時点で【マクドナルドが5%未満の再値上げ意向を表明・小麦などの原材料高が原因】にもあるように原田泳幸会長が言及していたもので、主に小麦価格の高騰を要因と説明されていた。今回発表されたリリースによれば、値上げの原因として、
昨今の急激な原油、原材料価格の高騰は弊社の予想を大きく上回り、本年度の弊社における原材料価格は10%の上昇が見込まれます。弊社ではこの上昇分を吸収すべく企業努力をしてまいりましたが、このたび最小限の範囲内で商品価格の改定をさせていただきます。
とのこと。
具体的な価格変動については次の通り。大きく分けて「値上げ商品」「価格据置商品」「値下げ商品」に分けられる。
値上げ商品(一例)
価格据置商品(一例)
値下げ商品(一例)
例えばビックマックは310円から320円、マックフライポテトのMは240円から250円になる一方、「100円マック」のほとんどはそのままの価格を維持する。ただし100円マックのうち「プレミアムロースト(アイス)コーヒー」「マックポーク」は120円に値上げされてしまう。また、マックラップはチキンシーザーが240円から190円へと値下げされる。
今回の値上げは5月末、さらに昨年来も合わせると3回目の実施となる。価格変更の商品群とその傾向を見るとお分かりのように、
・値下げ群……お客が単品で購入、持ち運びされやすいもの。
・価格据置……価格そのものがセールスポイントの、「廉価定番商品」
・値上げ商品……「持ち運び」「廉価定番」以外。商品単価が高めで、まとめ買いや店内で食されやすいもの。
という形で区分されていることが分かる。要は「顧客誘引用商品は価格を据え置いて集客力の低減を防ぎ、ついで買いがされにくい商品はあえて値段を下げて『もう一品』に期待する。主力商品で購入単価が高い商品は値上げし、原材料費の穴埋めをする」という戦略が見て取れる。
昨年6月に導入された地域別価格制度においても、状況などに応じて価格設定を切り替えながら、全体的には値上げの方向で舵取りを行っていた。単純に一律値上げをするよりもお客に与える印象は小さく、値上げによる効果を最大限に期待できる。今回もまた、値上げそのものには変わり無いものの、「効率よく値上げの利益を得られる」よう工夫された方法といえるだろう。
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