首都圏の新規マンション販売戸数、前年同月比マイナス44.5%・契約率もマイナス20.6ポイントに

2008年08月15日 08:00

マンション建築中イメージ不動産経済研究所は8月14日、7月におけるマンション販売戸数を発表した。それによると首都圏は3554戸で前年同月比44.5%減、近畿圏も1786戸で29.5%減と大幅に前年を割り込んだ値となった。新規供給数が激減したにも関わらず新規販売戸数に対する契約率は前年同月比20.6ポイント減の53.5%にとどまっており、買い控えの現状に供給のセーブが追いつかない形だ(【発表リリース、PDF】)。

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首都圏新規マンション契約率
首都圏新規マンション契約率
首都圏新規マンション契約率(前年同月比)
首都圏新規マンション契約率(前年同月比)

供給減と契約率低下を招いた原因はいくつか考えられるが

・資材、地価の高騰でマンションの売価そのものが上昇、消費者の購入意欲を押し下げている
・単純な供給過多。必要とされるマンション、住宅数以上の物件が供給されている
・昨今の不動産、建設不況を受け「待っていればもっと値下げされるのでは」という「値下げ待ち(買い控え)現象」が買い手側におきつつある
・現状を認識し、不動産会社側も新築物件の展開数を抑えている、在庫物件の処分の優先度を上げている


のが主なもの。供給数を減らしている場合、消費者側のニーズにさほど変化がなければ契約率は上がるはず。しかし実際にはそれ以上のペースで契約率が落ちており、消費者側の「冷え込み」方は非常に大きなものであることがうかがえる。

首都圏新規マンション販売戸数
首都圏新規マンション販売戸数
首都圏新規マンション販売戸数(前年同月比)
首都圏新規マンション販売戸数(前年同月比)

「冷え込み」を表すデータも公開されている。具体的には

・新規販売戸数……3554戸、前年同月比-44.5%、前月比-11.2%
・契約率53.5%……前年同月比-20.6ポイント、前月比-11.2ポイント
・販売在庫数……前月末から125戸増加、昨年同月比で3555戸増加
・7月の超高層物件……19物件889戸(前年同月比-49.3%)、契約率45.3%(前年同月比-46.6ポイント)


などで、一時期「不動産不況といわれているがリッチ層向け物件はどこふく風で売れまくっている」という話もあったが、現状はきわめて厳しい。さらに8月の新規販売戸数は減少し、2500個前後になる予定。また一戸建て物件も状況は似たようなもので、新規販売戸数は前年同月比-20.0%の419戸、契約戸数は157戸で契約率は37.5%。

グラフなどを見ると、7月時点の状況は今年1月とほぼ同じ、あるいはそれ以上の冷え込みであることが分かる。8月はさらに新規販売戸数をひかえて需要の減少と在庫さばきに備えるとの話だが、それでも対応しきれるかどうか不安がよぎる。


■関連記事:
【2008年上半期のマンション動向、首都圏-23.8%・近畿圏-21.5%】

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