非常用品を揃えている人約3割・他人任せが見え隠れする「災害への備え」

2008年08月21日 08:00

非常用品イメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは8月20日、地震などの災害に備えた非常用品に関する調査を行い、その結果を発表した。それによると非常用品を準備している人は全体の3割近くに過ぎなかったことが明からになった。壮齢層ではやや高めだが、それでも4割に満たず、「もしも」の時のための「備え」には関心が薄いことが想像される(【発表リリース】)。

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今調査は8月1日から8月4日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は312人。男女比は53.5対46.5。年齢構成比は20代10.9%、30代51.9%、40代29.2%、その他8.0%。

「避難袋」「非常袋」「災害袋」など呼び方はさまざまだが、地震などの際にすぐに持ち出しが出来るように色々な非常用品を詰めた袋の用意をはじめ、非常用品を準備しているかについて尋ねたところ、「準備済み」はわずかに三割に過ぎなかった。

地震などの災害に備えた、非常用品は準備しているか
地震などの災害に備えた、非常用品は準備しているか

40代になると多少割合は増えるが、それでも4割にすら達していない。つまり逆にいえば、6割以上の人(7割近く)は「地震への用品の備えをしていない」ことになる。

ではなぜ準備をしていないのか、準備をしていない人に限って問い合わせてみると、若年層は「面倒くさい」、高齢層は「自分とは無関係」という認識からのものが多かった。

なぜ準備をしていないのですか?最も大きな理由をお答え下さい
なぜ準備をしていないのですか?最も大きな理由をお答え下さい

非常用品の類は元々保存性が高いものが多いから、一度用意すればメンテナンスは半年からに一度行えば良い。それこそ9月1日の「防災の日」に合わせて総点検や必要品の入れ替えをすれば、忘れることもなく手間も最小限に抑えられる。にも関わらず20代の約半数は面倒だと考えているようだ。

一方で40代の過半数が「特に準備を考えていなかった」。会社や周囲自治体が何とかしてくれるはずと考えるところが大きいのだろうか。無関心さが気になるところ。

地震などへの警戒意識は高いが
非常用品など「自分の備え」は
今ひとつ。

「まずは安全に避難」
「避難先では他人の世話に」と
いう思惑も!?

ところが、自分の住んでいる地域の避難所がどこかを把握している人は全体の7割近くに及び、関東在住の人で「関東大震災」(地震エネルギーの蓄積や関東の大型地震の過去の事例から、大正時代に発生した「関東大震災」クラスの地震が再び関東周辺で起きるのかもしれないという話)への不安は(該当地域居住者の)86.1%もの人が感じている。

避難所を知り、大型地震に不安を覚える。しかし自分の非常用品への備えは今二つ。地震などの災害への認識そのものが薄いのではなく、何をどのように揃えれば良いのかという情報不足や、「用品の備えより避難が先だ」という考えがあるのかもしれない。避難所では他人の好意に頼るもくろみもあるのだろう。

繰り返しになるが、一度非常用品を揃えてしまえばメンテナンスは最小限に済む。最近では専用の備品・食品も多く、一式揃えるのもさほど難しくは無い。「他人任せ」というのも確かに一つの手ではあるが、確実性を求めるのなら自分でも「備えて」置くのに越したことは無い。

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