コンビニの営業時間、不満はわずか3.9%・理想は朝6時から深夜0時
2008年08月10日 12:00
電通リサーチは7月28日、民間・公共施設における理想の営業時間に関する意識調査の結果を発表した。それによると現在省エネ「など」の理由で営業時間の短縮が一部からもとめられているコンビニエンスストア(コンビニ)について、現在の営業時間で満足している人は全体の8割近くに登っていることが明らかになった。「不満」と答えた人はわずかに3.9%しかいない(【発表リリース】)。
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今調査は6月30日から7月1日の間、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人分。対象は20歳~69差異の男女で調査エリアは関東と関西(関西500件・関東500件)。年齢階層比などの詳細な属性は非公開。
今調査では多種多様な施設に関する営業時間の意見が掲載されているが、コンビニにスポットライトを当ててみると次のようになる。
コンビニの営業時間に関する満足度
満足をしている人は8割近くの75.8%。どちらとも言いかねる人が2割少々で、明らかな不満を持っている人は3.9%に過ぎない。昔の地方のコンビニのように夜半になる前に閉店してしまうところと違い、最近では24時間営業がほとんどであることを考えると、「営業時間に不満」との答えが少なくなるのも当然といえる。
コンビニの営業時間で満足をしている人が多いのは、現在の開始時間と終了時間それぞれに対する要望にも現れている。それぞれ9割前後の人が「今のままでよい」と回答しており、利用者は「現状維持で問題なし」と判断していることが分かる。
コンビニの開店・閉店時間に対する要望
さらに理想的な開店・閉店時間を尋ね、その数字を元に「8割の人が満足行く開店・閉店時間」を算出したところ、コンビニの場合は
・開店、営業開始時間……朝5時55分
・閉店、営業終了時間……夜23時44分
という回答が出た。実質的には24時間営業がほとんどのコンビニも、8割方の人が満足というラインまで妥協すれば「朝6時~夜0時」の営業時間帯で問題なし、ということになる。
コンビニが深夜0時以降も営業しているのは、その名前の通り「いつでも便利な存在に」を営業スタイルとして掲げているからに他ならない。ライフスタイルが多種多様な現代人にとって商品の売買はもちろん、万一の時のための防犯エリアなどの役割も果たしてている。さらに【セブンイレブンと調剤薬局のアインファーマーシーズが資本業務提携・コンビニ内での大衆薬販売を模索】にあるように、大衆薬の販売が来年開始されれば、「もしもの時のための備え」的な存在価値はさらに高まる。
ただし現状では「朝6時~深夜0時」で8割の人が満足してしまうのも事実。世間の一部風潮に押される形で残り2割を切り捨てるのか、2割であろうとお客には違いないと断じて24時間営業を継続するのかは、個々のコンビニチェーン店の判断にゆだねられるだろう。
現時点では「8割」が「朝6時~深夜0時」の時間帯に利用しているからこそ、その時間帯で満足と答えている。しかし万一その時間帯以外にニーズが発生した場合、その8割の人はやはり「満足」と答え続けるだろうか。コンビニの24時間営業は「24時間いつでもご利用下さい」というサービス提供はもちろん、「24時間いつでも使えますよ」という安心・安全を提供していることも忘れてはならない。
実際に使うことは無くとも、営業していることで得られる安心感(いわば保険のようなもの)も存在することを考慮する必要があるだろう。
■関連記事:
【24時間営業コンビニのニーズはどこに!?】
(最終更新:2013/08/03)
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