2008年7月度のコンビニ売上高は「タスポ特需」が炸裂し既存店は11.7%のプラス
2008年08月21日 08:00
日本フランチャイズチェーン協会は8月20日、2008年7月度におけるコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによると7月は天候が良好で日照時間も多く、成人識別たばこカード「タスポ」の影響を受け、たばこの売り上げが堅調に推移。来店客数も10%以上の大きな伸びを示した。結果として既存店ベー図の売上高は前年同月比で+11.7%に達した(【発表リリース、PDF】)。
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今調査の概要は、月次展開一覧を収録しているページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明が行われている。そちらで確認のこと。
各データについて前年同月比は次のようになる。
●店舗売上高:既存店は3か月連続のプラス、全店は13か月連続プラス
・全店ベース……+14.0%
・既存店ベース…+11.7%
●店舗数
・+1.3%
●来店客数:既存店は4か月連続プラス、全店は24か月連続プラス
・全店ベース……+13.9%
・既存店ベース…+11.8%
●平均客単価:既存店は3か月ぶりにマイナス、全店は3か月連続プラス
・全店ベース……+0.1%(588.8円)
・既存店ベース…-0.1%(584.2円)
●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+4.5%←タスポ効果の「おすそわけ」
・加工食品……+9.9%←天候良好効果
・非食品………+33.0%←タスポ効果ビックバン
・サービス……+4.6%←地味だが堅調
・合計…………+14.0%
※既存店……1年以上営業中の店舗
7月は例年に比べると早い梅雨明けとなったことや全国的に気温が高く、晴れた日が続き、コンビニにとってはプラスとなる天候展開だった。それに加えて「タスポ」の導入地域が関東まで拡大し、本格的な「タスポ効果」が来客データなどにも反映されるようになった。特に「非食品」の分野に含まれるたばこの売り上げが大いに伸びているのがその証。また、たばこ購入者が足を運ぶため、来客数も大幅に増加。たばこは1つ300円前後で、2つ購入すれば直近の顧客平均単価を上回るなど購入額も大きいため、昨月同様に客単価も引き上げている。
喫煙者のコンビニ来店数が増え
「ついで買い」もあわせて
売上大幅アップ
7月は天候が順調で、6月不調だった「夏季向け定番アイテム」も堅調な売れ行きを見せ、全部門で前年同月比において大きなプラスを示すこととなった。「タスポ特需」さまさまといえよう。
一方で7月の時点で関東地域への導入が行われ「全国制覇」がなされたことで、「タスポ特需」による(”前月比”における)急速な来客・売上の伸びは一段落。今後は純粋に昨年比でどこまでたばこ購入による来客が見込めるかが焦点となるが、少なくとも昨年の同月には存在しなかった「タスポによるたばこ購入者の来客特需」効果は今年一杯は続きそう。
ただし、昨今一部地域で叫ばれている「省エネ(を大義名分にした各方面の思惑が理由)のための深夜営業の停止」論争が微妙な状況にあるので、場合によってはこの面におけるマイナス効果が現れる可能性はある。
なお4月から過去データについては(他の産業月次レポート同様に)まとめページにリンク集を掲載している。過去のデータは【まとめページ】からたどってほしい。
■関連記事:
【コンビニでたばこの売り上げが急増している件について】
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