ブログ総数1985万サイト・市場規模46.3億円~矢野研がブログ市場調査結果を発表
2008年08月06日 07:30
矢野経済研究所は8月4日、日本国内におけるブログサービス市場の調査結果をまとめたマーケットレポートの販売を開始すると共に、その概要を発表した。それによると国内ブログ数は2008年3月末時点で1985万サイトとなり、2006年3月の868万サイトから大幅に数を増やしたことが明らかになった。またその市場規模も46億3000万円と拡大傾向の一途をたどっていることが認められた。一方で休眠ブログやスパムブログも相当数確認されており、特に後者は利用者に害を及ぼすことから、その状況への懸念も述べられている(【発表ページ】)。
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ブログ開設総数と増加率
今調査は矢野経済研究所の専門研究員による直接面談を基本とし、電話やメールによるヒアリング取材を併用して行われた。それによれば2008年3月末時点で主要19ブログサービス(Ameba(アメブロ)、ウェブリブログ、エキサイトブログ、FC2 ブログ、AutoPage、goo ブログ、CURURU、ココログ、Seesaaブログ、JUGEM、So-net ブログ、ドリコムブログ、忍者ブログ、はてなダイアリー、ブログ人、Yahoo!ブログ、ヤプログ!、livedoor Blog、楽天ブログ)のブログ数は1806万5000サイト、これを基にした国内ブログポータルサービスで開設されているブログ開設総数は1985万サイトと推計している。
ブログ数そのものは伸びつつあるものの、その伸び率は鈍化している。また、自動投稿・広告誘導を主目的としたスパムブログ、一か月に一度も更新しない休眠ブログも数多く存在すると思われる。「全体数の伸びが鈍化」し「スパム・休眠ブログ」が増加していることから、積極的に更新しているアクティブブログサイトの割合は低下傾向にあると推測している。
また、ブログポータルサービス売上高の合計から算出される、ブログサービス市場規模(要はブログサービスの展開でポータルサイトなどがどれだけの売上を上げられるか)は、毎年増加の一途をたどっており、2007年度においては46億3000万円にまで拡大した。
ブログサービス市場規模
この傾向についてレポートでは、記事数や閲覧数の増加以外に、広告そのものや掲載場所、方法に工夫が凝らされた(例えば多数のブログパーツ提供)ことが主要因であると説明している。加えて2007年以降は携帯電話分野での伸び・ニーズが急速に拡大していることから、今後は携帯電話向けの各種制度・機能を積極的に導入し、市場規模の拡大を模索。こが幸いし、これまで同様今後も市場規模は大きくなり続けるとしている。
・スパムブログの廃絶
・優秀なコンテンツや
コンテンツ投稿者の
育成後押し
このように今後の成長も期待できるブログ界わいだが、特にスパムブログの増加とそれが及ぼす弊害に注意を促すと共に「完全な排除は非常に困難なものとされているが、関連する業界も含めて可能な限りの対応を実施していくことが、市場の発展には欠かせない課題」とし、積極的な対応を求めている。さらに「優良なコンテンツや優良なコンテンツを発信する投稿者を育成することで、記事内容のクオリティを高めていくような取組みも、市場拡大のためには重要な課題」として、「市場育成」を業界側に求めている。
ブログの数の増大については以前総務省も同様のレポートを発していた(【定期更新ブログ数は2006年から変わらない現実】)が、やはりこちらでも「スパムブログへの対処」「優良コンテンツそのものとそれを創り出すブロガーの保護育成」が重要課題であると力説していた。ブログ市場の拡大でもっとも恩恵を受けているポータルサービス各社が、今まで以上にこれら2つのポイントに注力していく必要があるのだろう。
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