今調査は6月30日から7月1日の間、インターネット経由で行われたもので有効回答数は1000人。対象年齢層は20～69歳、エリア別は関西と関東を500人ずつ。年齢階層などの詳細区分は未公開。

コンビニエンスストアの営業時間を午後11時までとし、深夜の営業を自粛させる(事実上の規制)動きが広まっているのはすでにお伝えした通り。大義名分は「エネルギー節約」が理由だが、昨今の報道や類似の別機関による調査(【コンビニ深夜営業規制、賛否両論意見は二分】)などを見ると実際のところは「本音としては他の理由で深夜営業を止めさせたいのだが、エネルギー節約という御旗を掲げれば反論も出来ないだろう」というのが実情のようだ。

さてその「深夜営業の規制」についてだが、全体では賛成・反対がほぼ二分される結果となった。「どちらともいえない」という態度留保派は2割足らずしかおらず、今件について深い関心がもたれていることが分かる。

コンビニ営業時間を午後11時までに規制することに賛成か反対か

地域別でも大きな差異は無い(やや関西の方が反対意見が多いか)。むしろ違いが見えてくるのは、「年代別」「世帯構成別」。

まず「年代別」だが、20代・30代というコンビニをひんぱんに利用する層では過半数が「規制反対」の意見を持っている。特に20代では賛成派は1/4しかいない。一方で年齢が上がるにつれて反対意見は増え、40代・50代ともなると賛成派は4割にまで減少。60代は反対意見が6割を超え、賛成はわずかに2割程度にしか過ぎない。

また「世帯構成別」ではやはりコンビニが生活には欠かせないと思われる単身世帯で反対が多く過半数を超え、平均値をはるかに上回る結果が出ている。

これらの結果を見ると「コンビニ利用頻度の高い人ほど、コンビニの深夜営業規制には反対」「低い人ほど規制に賛成」の姿勢を見せていることが分かる。これはそれぞれ「規制されるとコンビニ利用に不便さを感じる」「規制されれば深夜営業の弊害(生活習慣の深夜帯へのずれこみや夜間の治安悪化)」などを起因としているものと思われる。仮に、コンビニの深夜営業規制の当初の大義名分である「省エネのため」を元に判断されているのなら、年齢階層別や世帯構成別でここまで大きな差異は生じないはずだからだ。

付則データとしてグラフ化はされていないものの、リリースでは「40代～50代の賛否」について、子どもがいる世帯のその子どもの年齢別で反対派の意見を聞くと「小学校……31.9％」「中高校生……46.1％」「短大・大学・専門学校生……32.4％」と、中高生の子どもを持つ家庭では「コンビニの深夜営業規制に反対する」意見が大きなものとなっている。これはリリースで分析されているように、「コンビニに対する防犯効果」に期待する面が強いからなのだろう。

冒頭・文中でも触れ、繰り返しの形になるが、今般の「コンビニ深夜営業規制論争」では、省エネ対策が前面(「全」面ではない)に打ち出されているものの、賛成派も反対派も一枚皮をめくればコンビニという業態に対するこれまでの賛否両論の意見が深く渦巻き、それが一挙に吹き出した形となっている。

物事の目立つ一面のみをピックアップして成果があがったように見せ、その実、弊害の方が多かったという事例は古今東西山ほどある。昨今では数々の法令が非常に良い例(改正建築基準法、金融商品取引法、改正貸金業法。官製不況の3Kともいわれているそうな)。規制をするにしてももう少し「工夫」ができるだろうに、人間は頭を使う動物なのだからという意見があちこちから聞こえてきそうだ。

規制が全国的な動きになるのかはまだ未知数だが、「規制をしたら弊害の方が多かった」「規制をするにしてももう少し色々考えておくべきだった」と後で悔やむことのないよう、論議と検証を尽くしてほしいものだ。

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(最終更新:2013/08/04)