古いケータイ手元に残したいのは「思い出」「個人情報流出が怖い」から
2008年07月30日 08:00
ネットエイジアは7月29日、携帯電話のリサイクルに関する調査結果を発表した。それによると携帯電話の機種変更などを行って買い換える際に、古い携帯電話をリサイクルした経験のある人は全体でも41.8%と4割程度に過ぎず、直近の買い替えではリサイクルしたと回答したのはわずか1割強に過ぎないことが明らかになった。多くが何らかの理由で手元においていると答えており、その理由は「思い出があるから」「個人情報の流出が怖いから」などとなっている(【発表リリース】)。
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今調査は7月24日から28日、20歳から49歳の携帯電話利用者を対象に携帯電話経由で行われたもので、有効回答数は435人。男女比は49.7対50.3で、年齢階層比は非公開。キャリア比はNTTドコモが52.2%、auが37.9%、ソフトバンクモバイルが9.9%。
これまでに携帯電話をリサイクルした経験がある人は全体の41.8%に達しているが、逆に考えれば58.2%は「一度も」リサイクルをした経験がない、ということでもある。さらに直近の買い換え時に直前まで使っていた端末をどのように処分・処置したかを尋ねたところ、6割強の人が「手元に置いている」と答え、リサイクルとして回収してもらったのはわずか11.1%に過ぎなかった。
直近で携帯電話・PHSを買い換えた時に、古い携帯電話・PHSの端末はどのようにしたか
「ゴミとして捨てた」「オークションで売却」「他人に譲渡」など問題と思われる行動も多少見られるが、大抵は他所に渡さずに手元に持ち続けるという結果が出ている。「置いている」「電話以外の」をあわせると実に8割が「手元派」という計算。
一度も携帯電話をリサイクルしたことがない人(58.2%=253人)にその理由を尋ねたところ、「端末に残している写真など、思い出として取っておきたいから」という回答がもっとも多く過半数を占めた。本体そのものも含め、長きに渡り自分自身と生活を共にした携帯電話に愛着を感じ、捨てるのにはしのび難いという想いがあるのだろう。その一方、現実的な問題として「個人情報の流出が怖いから」という回答も41.5%と多めの数字が出ている。
不要になった端末をリサイクルとして回収に提供していない理由(一度もリサイクルしていない人)
「情報流出を防ぐ」「思い出残し」「他の機能を使う」などさまざまな目的で手元に残されている「通話できない古い」携帯端末。それではどのような用途で使われているのか。該当する402人に尋ねたところ、「アラーム(目覚まし)機能」がトップについた。実に4割近い人がその機能を用いている。
手元に残しておいた端末をどのような用途で利用しているか
たとえ通話ができなくなり、外部との連絡が遮断されても、多種多彩な機能が残っている携帯電話。そのまま使わずに捨てておくのはもったいないと思うのは当然といえよう。
携帯電話には希少資源が豊富に使われており、リサイクルを積極的に推し進めていることは既知の通り。多くの人がその実情を知っているものの、やはり「個人情報の取り扱いが不安」や「リサイクルの具体的内容の機密性」「リサイクルに提供した場合の特典付与・保証金制度」などの意見があり、消極的であることが分かる。
常に肌身離さず持ち歩き、ストラップやシール、傷など自分と共有した時間の長さを示す「しるし」があちこちに刻まれている携帯電話。通話が出来なくなっても色々な機能が使えるという「便宜性」を差し置いても、「手元に残しておきたい」という想いが募るのは当たり前の話なのかもしれない。
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