東京都内のガソリン・灯油価格をグラフ化してみる
2008年07月26日 12:00
総務省統計局は7月25日、2008年6月分の小売物価統計調査結果や消費者物価指数を発表した。内容的には物価指数が前年同月比+2.0%、ガソリン+24.2%、即席めん+21.4%、食パン+18.5%など、相変わらず燃料・食品部門における価格高騰ぶりが目に留まる内容だった。それら定期更新データと共に付随的なものとして提供されていたのが、東京都区部における自動車向けガソリンと灯油価格の動向。似たようなものは先に【レギュラーガソリン価格をグラフ化してみる】で試みているが、今回は1つのデータ元からということと、ガソリンだけでなく灯油についてもデータが入手できたので、改めてグラフ化する(【統計データ元】)。
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まずはガソリン価格。こちらは統計局側ですでにグラフ化が行われていたので、それに説明のテキストをいくつか貼り付けてみる
ガソリン価格推移
先に製作したグラフとほぼ変わらない形をしているのは当然だが、最新のデータが反映されており、第二次オイルショック時期の最高値をも超えて、現在のガソリン価格がハイレベルな状態にあるのが分かる。
さらに時系列データをもとに、直近で価格上昇の気配が見られた2004年以降を抽出してグラフ化したのが次の図。
東京区内ガソリン価格(2004年1月~)
2006年まではじわじわと上昇を続けていたものの、2007年に入るといったん下降局面を迎える。しかし2007年後半以降急激な上昇を見せ、今年以降は上げ幅を加速しているのが分かる。ちなみに2008年4月に一度下がっているのは、例の「暫定税率騒動」が原因。
続いて灯油価格(18リットルあたり)。地域によってはガソリン以上に切実な問題だろう。こちらはガソリン価格とはやや様相を異なるグラフとなっている。
灯油価格推移
上下変動はガソリンとほぼ同じだが、計測史上最高額はすでに2007年12月の時点で達成してしまっている。暖房用燃料として用いられる灯油はそのニーズが寒期に急増することから、一般的には夏より冬の方が価格が高くなる。とはいえ、昨年末の時点で最高値をつけるあたり、ガソリン以上に事態は深刻であることが分かる。
その深刻さがより一層分かるのが、やはり直近5年間(2004年以降)を抽出して作った次のグラフ。
東京区内灯油価格(2004年1月~)
2007年12月に史上最高値を更新した灯油価格は2008年に入ってからも上昇を続ける。毎年春先になると価格は安定化するはずであるが、今夏はその傾向も見られず、5月に入るとさらに上昇。7月時点で2431円と高値を更新中である。仮にこのまま原油価格が高騰を続ける・高値安定化のまま推移すれば、需要が急増する冬場には18リットルあたり3000円突破という話も冗談ではなくなる。これは5年間で実に約3倍という計算になる。
原油価格が高騰をはじめた去年中盤以降、そして冬を何とか乗り越えてもさらに価格上昇が収まりそうにない状況を見て、「このまま続けは今冬は(灯油価格の上昇で)大変なことになる」という懸念を耳にする。日本国内に限っても特に北部地方に住まう人たちにとって、灯油価格の上昇はオーバーな表現でなく「死活問題」となりうるからだ。「投資」家ならぬ投機家らのヘッジファンドの暴走で、価格が釣りあがった灯油が入手し難くなり、「凍死」してしまったのではお話にもならない。幸いにも現時点では原油価格は最高値からやや下落する傾向を見せているが、今後どのような変移を見せるかは不透明。
幸い、かどうかの判断は難しいが、現在はインターネットも普及し、自宅からでも世界中の人たちの進言・忠告・アイディアを入手することができる。例えば北海道経済産業局では【灯油節約のツボ(PDF)】や【ガソリン節約のツボ(PDF)】を無料配布している。これらの資料を見つけ出し、知識として蓄積し、実践すれば、「アリとキリギリス」の話の「アリ」側に立つこともできるだろう。
(最終更新:2013/08/04)
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