商品購入時の情報収集、●割以上がネットを活用

2008年07月13日 12:00

インターネットイメージ総務省統計局は7月11日、2008年5月分における家計消費状況調査の調査結果を発表した。その際に同時発表された参考表(長期時系列データ)によると、2007年において商品やサービスを購入するために、インターネットを通じて情報収集をした人が世帯内にいる世帯は全体の3割強に達していることが明らかになった。買い物の事前調査という日常生活の行動様式の中に、インターネットを情報検索ツールとして用いるパターンが確実に取り込まれつつあることがうかがえる(【発表ページ】)。

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家計調査は、全国の世帯を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査し、国民生活の家計収支の実態を把握。国の経済政策や社会政策の立案のための基礎資料を提供することを目的としている。結果は逐次データ化され、毎月発表されている。また、通常のデータとあわせて話題性の高い案件と家計との関連を示すデータも、追加参考資料として報告される。今回調査分は2007年分においては集計世帯数は1931件、世帯人数は平均2.59人、有業人数(働いている人)の平均は1.30人。公開データは2002年から2007年分で1年毎のもの。

今調査において、「商品・サービスを購入するためにインターネットを通じて情報収集をした世帯員がいる」と答えた人は2002年の20.0%から少しずつ増加をし、2007年では32.2%に達している。

商品・サービスを購入するためにインターネットを通じて情報収集をした世帯員がいる
商品・サービスを購入するためにインターネットを通じて情報収集をした世帯員がいる

インターネットへアクセスできる環境がないことには情報収集もできないため、利用率は自然とインターネットの普及率以下になるが、それでも確実に増加を見せているのがこのグラフからも分かる。

さらにその情報を使い、実際に購入した世帯員がいる家庭(つまりネットでの情報収集が購入の意思決定の際に役に立った、購入モチベーションを昇華させた)ことがある世帯も、情報収集の割合とほぼ同じ増加率を見せている。つまりネット上でしっかりとした情報提供を行えば、今後さらに増加を見せるであろう「情報収集層≒購入予備群」に対しても商品の提供ができることになる。店頭での売上が落ち込むといわれている昨今、この数字は(企業側には)見逃せないだろう。


加速するネット上での
商品情報収集と購入。
これが実店舗の小売における
(客を奪われることによる)
伸び悩みの一因かもしれない。

今調査の別項目では「インターネットショッピングをした世帯員のいる世帯は19.9%」「商品やサービスを購入する際にインターネットを通じて注文をした世帯員がいる世帯は22.3%」(いずれも2007年)というデータも出ている。しかもいずれもが増加する傾向を見せている。小売不況が叫ばれる昨今、このような数字が出ているのは、単に「ネット上に出店するお店が増えたから」だけでは説明がつきにくい。

実店舗の店頭とネットショップ双方を持つ企業の売上推移を見ていく必要があるだろうが、あるいは小売不況は、インターネット上での情報展開や商品販売に客を奪われているのが一因なのかもしれない。何しろ消費者の数も購買力も、数年で急激に増えるわけではないのだから。ネット上への買い物が増えれば実店舗での買い物が減るのは当然といえば当然だろう。


■関連記事:
【ネット利用者、商品の興味も調査も購入もネットが主流】

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