パソコン閲覧機能のサイトイメージ

モバゲータウンは2006年2月7日に始まったサービスで、いわゆるキャリア(携帯電話本体の会社)が運営サポートを行う公式サイトではなく「勝手サイト」。開設後わずか半年後には会員数が140万人を突破し、今年の4月9日には1000万人を超えるなど、公式サイト顔負けの規模と勢いを誇る。なおリリースによれば5月末時点で会員数は1053万人。

「モバゲータウン」のメインコンテンツはSNSの代表格【mixi】と同じような「自己紹介的な場所と日記」「質問をしたりそれに答える質問広場」「さまざまな意見交換ができるサークル」、それに加えて携帯サービスならではの「ゲーム」が用意されている。

また、自分のプロフィールなどに用いるアバター(自分の姿を映し出したキャラクタ)に、着せ替えをするためのアイテムを購入できる「モバゴールド(モバG)」が仮想通貨として用意してあるのも特徴。このモバGはウェブマネーで購入する他、サイト内の広告をクリックして宣伝を見たり、スポンサーサイトに登録したり、他人を「モバゲータウン」に勧誘することで手に入れることができる。運営サイドのディー・エヌ・エーはここから収益を確保することになる。

今回行われるパソコンへの開放では、既存の「モバゲータウン」ユーザ向けにパソコンなどで閲覧できるサイトを開設。個別に設定したログインIDとパスワードを入力することで使用することが可能となる。閲覧用のサイトでは、パソコンおよび端末の画面上にケータイサイトとほぼ同一の画面が表示されるため、これまでの使い勝手はそのままに、「モバゲータウン」を利用できる。

利用できる機能は、日記の閲覧およびコメントの投稿、サークルへの参加、掲示板への書込みなどのSNSに関わるもの(具体的にはアバターアイテムのモバゴールドによる購入、アバターの着せ替え、日記の投稿・閲覧、サークルへの参加、掲示板への書込み、質問広場への投稿、占い・診断コーナーの利用、投稿小説・音楽コーナーの閲覧・作品の投稿)。なおログインIDは、「モバゲータウン」に登録された携帯メールアドレスになる。

リリースによると「モバゲータウン」には会員規模の増加及び、20代以降の会員の増加に伴いパソコンおよびインターネット利用可能端末上での閲覧に関する要望が多く寄せられていた。今回の一部機能の開放により、多くのユーザの要望に応えることができると考えているとのこと。

なおリリースの文面などを見る限り、「パソコンで"も"利用できる」であって、「パソコン"のみで"利用できる」わけではない。あくまでもモバゲータウンに携帯電話から登録済みの人が、パソコンでも合わせてアクセスできるということ。「携帯で登録するのは何となく面倒、イヤだけどパソコンからならOKだね」と思っていた人は、残念ながら今回の改定ではアクセスは不可能。

スタート地点は違えと「SNS的な総合ネットコミュニティ」としては似たような道を歩みつつあるmixiでは、当初はパソコンのみの展開で後に携帯電話上に進出し、パソコン以上の会員数増加の現象を見せている。携帯の雄たるモバゲータウンがパソコンに進出するのは、まさにmixiの正反対の方向性であり、興味深い話といえる。要はmixiもモバゲーも、自分の領域においては飽和状態に達したので、「新天地」に足を踏み入れた、ということなのだろうか。

仮にモバゲータウンが今後、パソコン上からだけでもアクセスが可能なシステムに変更するようにでもなれば、mixiをはじめ他の日本国内で展開しているSNSや類似システムにとって、大きな驚きを与えることは間違いあるまい。