目の付け所は日米共通?! アメリカでマンホールのふた盗難事件相次ぐ
2008年07月02日 12:00
【USA TODAY】が伝えるところによると、鉄価格の高騰と景気の悪化で日本でも一時期問題視され各地で多発した、マンホールのふた盗難事件が、最近アメリカでも頻発しているという。カリフォルニア州・ミシガン州・ペンシルバニア州・マサチューセッツ州・ジョージア州などでは鉄鋼価格の高騰と共に、数百件もの「マンホールのふた盗難事件」が発生しているとのこと。
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元記事ではジョージア州のチェロキー群を管轄とするJay Baker巡査部長の談話が掲載されている。それによるとすでに4月と5月で28枚ものマンホールのふたが「えじき」にあっており、こんなことは勤務16年間の中で前例がないことだとした上で「景気が悪くなっているから、鉄製のマンホールのふたに目をつけたのだろう」と述べている。
マンホールのふたは中品質の鋼鉄で出来ているが、この価格は1月には1トン当たり329ドルだったものが519ドル(5万2000円ほど)に急騰。水道当局者の話によればマンホールのふたは10~15ドルでスクラップ業者に売れるという。
カリフォルニア州ロングビーチではすでに今年に入って80枚もの「ふた」が被害を受け、自動車がはまり込んだり人が落ちてけがをしている。水道当局のRyan Alsop氏は「一番の心配は小さな子どもがふたの無くなったマンホールに落ちてしまうこと。何しろマンホールは6メートルもの深さがあるのだから」と心配している。実際フィラデルフィアでは二人の子どもが落下し、軽症で済んだものの、その地区の担当者は過去二年間の中でもっとも悔しく、同時に落ち込んだ気分になったという。
一方マンホールのふたを元に戻すには、地域によって違いがあるが、大体200~500ドル(2~5万円)の費用がかかる。予算も無尽蔵にあるわけではなく、また「盗っ人」にマンホールのふたを提供するだけというイタチごっこに陥るのも問題。そこで一部地域では(これまた日本と同じように)マンホールのふたを溶接する措置を取ると共に、ミズーリ州やオハイオ州ではスクラップ業者において売り手の身元確認を義務付け、さらに盗品を取り扱った場合の罰則強化を行っているとのこと。
鉄価格が高騰し、ふところ具合が寂しくなれば、足元にあるマンホールのふたですらお宝に見えてしまうのかもしれない。しかしそもそもが犯罪行為であるばかりでなくリスクは高く、さらに多くの人に多大な(場合によっては命にかかわる)迷惑をかけることになる。また防犯のためにふたを溶接してしまうと、何かあった時にすぐに利用できなくなるというデメリットも生じることになる。このようなトラブルが一刻も早くなくなることを心から祈りたいものだ。
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