自分の年金受取額を把握していない人は6割以上、20代では9割が「分からない」
2008年07月28日 08:00
楽天リサーチが7月21日に発表した調査結果によると、国民年金や厚生年金などの公的年金について、自分の受け取り予定額を把握している人が3割強に過ぎないことが明らかになった。特に20代では9割近くが「把握していない」と答えている(『発表リリース』)。
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今調査は6月23日から26日の間、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。20代~60代の男女を対象とし、男女別・年齢階層別で均等割り当て。
全体では年金受け取り予定額を把握している人は「だいたい」もあわせて36.1%に登る。一方で「あまり」も含めた把握していない派は6割以上。
自分の公的年金の受け取り予定額について
これを年齢階層別に見ると、明らかに「若年層」は把握していない・「高齢層」は把握していると二分されているのが分かる。
自分の公的年金の受け取り予定額について(年齢階層・性別)
「年金の受け取り額」というと若年層ではあまりリアリティの無い話だが、中堅層以降には現実のものとしてのしかかってくるようになる。そのため、積極性も増し、自分の立ち位置を確認し、受取額も把握するようになるのだろうか。
実際には【社会保険庁の専用ページ】や【金融広報中央委員会の専用ページ】に必要なデータを入力すれば、「自分自身の」年金受取額を把握することができる。ただし出てきた数字はあくまでも現行モデルのもの。
【成人式に「65歳になったら毎月37.3万円の年金もらえるよ」と言う厚生労働省・その試算と可能性】でも触れているが、現行モデルの年金制度をこのまま永続的に施行するのは少々無理なお話。むしろ若年層には「年を経るにつれて支払い開始年齢がかさ上げされ、支給額が減り、自分たちが受け取れる年になったら制度そのものが破綻してしまうのではないか」という懸念が強く渦巻いている。社会保険庁の実情を見聞きする限り、「そんなことは無い」とする官公庁側の説明にも説得力があまり無いのはご存知の通り。
勝ち逃げされるような制度が
後続者に支持・信用される
はずはない
若年層に「年金の受取額」を把握している人が少ないのは、「まだ先のことでリアリティに欠ける」という点があるのは事実。しかしそれ以上に、「もらえるか否か」「今の制度が自分の時にも適用されるか否か」という点で「現実味が無い」と考えている人が多いのかもしれない。要は「あきらめてるから、調べる必要などない」ということ。
今の年金受給者、間近な受給予定者に対し、若年層が「勝ち逃げ」「取り逃げ」と思うような制度が信頼・信用されるはずもない。そのような不信感・あきらめ感を取り除けるよう、制度そのものの見直しも求められるかもしれない。
(最終更新:2013/09/01)
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