サンエー・インターナショナル(3605)の三宅社長、インサイダー疑惑で辞任を発表

2008年07月29日 06:30

人気ファッションブランド「ピンキー&ダイアン」「ナチュラルビューティー」などを展開する東証一部上場のアパレル大手【サンエー・インターナショナル(3605)】は7月28日、臨時取締役会を開き、同社三宅正彦・代表取締役社長が同日付で代表権の無い取締役相談役に退く人事を決めたと発表した。保有株売却に関連した金融商品取引法違反(インサイダー取引)疑惑による責任を取った形となる。同時に三宅正彦氏のおいにあたる三宅孝彦副社長が代表権を取得することになるが、社長は現状では空席のままで、11月開催予定の株主総会に改めて任命される(【発表リリース、PDF】)。

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今件は【サンエー・インターナショナル(3605)社長のインサイダーで課徴金1246万円勧告】【「ピンキー&ダイアン」のサンエー社長がインサイダー疑惑・株価大幅下落へ】でも説明したように、

サンエー・インターナショナルは2006年7月14日に既存株式の2割に相当する300万株という大規模な増資を行った。そしてそれより前の4月20日に三宅社長がストックオプションを行使して自社株を4800株取得。合計2907万1000円で売りぬけをし、1000万円を超す利益を得ている。その売り抜け行為が結果的にインサイダー取引に該当すると証券取引等監視委員会側が判断した。

サンエー・インターナショナル側では増資主幹事会社の野村證券に度重なる相談・確認をして「問題なし」との回答を得た上での行動なので違法性は頭になかった。


というもの。

しかし証券取引等監視委員会から金融庁へ行政処分の勧告がなされたことに対し、サンエー・インターナショナルと三宅社長(当時)側では「金融庁から命令が下ればこれに応じる」「今後の対応については近日中に開催する臨時取締役会で決定」と説明していた。

今回三宅正彦氏が代表取締役社長を退くことで本人及び会社としては責任をとった形となったが、同時に過去記事でも指摘してきた増資主幹事の野村證券側の行動への疑問点(増資を相次いでプッシュした点、結果的にインサイダー取引と認定された一連の行動に「問題なし」と太鼓判を押した点)に対しサンエー・インターナショナル側では同日リリースを発している(【発表リリース、PDF】)。いわく、

当社及び当社取締役三宅正彦は、現在、野村證券に対し責任追及することを検討しております。


とのこと。サンエーと野村證券との間にどのような契約が結ばれているのかは公開されていないので、契約上責任を追及できるのかは不明(また、契約云々を別とした責任追及が出来るのか否かも現時点では判断できない)。しかし少なくとも、野村證券側には何らかの形で事情説明が求められることは間違いないだろう。


(最終更新:2013/08/04)

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