まともなメールの27倍のスパムメールが届く現実
2008年07月17日 08:00
イギリスのセキュリティ会社Sophosは7月15日、2008年4月から6月における迷惑メール(スパムメール)に関する送信状況などを公開した。それによると同時期のスパムメールの割合は全メールの96.5%に達し、1月から3月期における92.3%からさらに上昇している。Sophosでは「28通のメールでまともなものは1通しかないという事実に向き合わねばならない(corporations are now facing the fact that only one in 28 emails is legitimate.)」と現状を説明している(【発表リリース】)。
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同社ではスパムメールを収集するための専用端末をネット上にいくつも設置し、その内容などを調査。今回のように四半期ごとに公表している。今回発表されたのは2008年4月から6月の第2四半期分。
今回発表されたデータ「96.5%がスパムメール」「まともなメールは3.5%(28通に1通のみ)」という現状を踏まえ、同社では
「ネット上に少しでも係わり合いを持つ企業の場合、適切なスパム対策を施していないと、正式なメールがスパムメールに埋もれてしまう。お客様や取引先企業からのまともなメールを受け取り、ビジネスに利用することが難しくなる」
If your company is on the internet, it's going to be hard for it to do business unless it has an effective anti-spam defence in place. Otherwise the amount of junk mail will be swamping legitimate correspondence from your customers and suppliers.
と現状を説明している。
同社ではレポートで迷惑メール送信国ワースト12も発表している。リストは次の通り。
・アメリカ……14.9%
・ロシア……7.5%
・トルコ……6.8%
・中国(含む香港)……5.6%
・ブラジル……4.5%
・ポーランド……3.6%
・イタリア……3.6%
・韓国……3.5%
・イギリス、スペイン……3.2%
・ドイツ……3.0%
・アルゼンチン……2.9%
・その他……37.7%
なお多くの場合は直接意図的に発したものではなく、ウイルスなどにのっとられたパソコンから送信されている。
端末の各種状況(利用経歴、OS、言語その他)によって取得スパムの内容や割合に多少の違いはある。しかし現状を見るに、「28通に1通しかまともなメールがない」という報告には同意をせざるを得ない。先日も【20件メールが届いたら19件までがスパムメールな現実】で報じたように、別機関による「20通のうち1通しかまともなメールがない」という報告があったが、状況的にはさほど変わりはないのだろう。
スパムメールが横行するのは、その手法がコストパフォーマンスに優れているから。発信をとどまらせ、インターネット上からスパムメールを放逐するためには、「スパムを送ってもコスト的に割が合わない」ようにするだけの対策が求められよう。
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