ケータイ小説+220%、一方で着メロは-34%・変わるモバイルコンテンツ市場

2008年07月19日 12:00

モバイルイメージ総務省は7月18日、2007年におけるモバイルコンテンツ関連の「公式サイト」における市場動向に関する調査結果を発表した。それによると、モバイルコンテンツ市場においてはゲームや占い、着うた、電子書籍が大きな伸びを示している一方、着メロ・待ちうけ市場は縮小傾向にあることが明らかになった。携帯電話そのものの性能が向上したことで、利用者のニーズも変化し、より表現力に優れたサービスに利用者の注意が移る一方、新たな文化「ケータイ小説」などにも市場を奪われていることが想像される(【発表リリース】)。

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今調査は総務省の委託を受けて、モバイルコンテンツ環境活性化のために関連企業が参加して設立された任意団体の【モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)】が実施したもの。各種データは発表資料や事業者のデータとアンケート調査から得たデータや、その伸び率を用いて推計している。また、携帯電話市場には今回発表された「コンテンツ」「コマース」以外に、広告・プロモーション分野も存在するが、今調査においては対象外。さらに「勝手サイト」(各携帯電話会社が公式に展開する「公式サイト」以外のサイト)も対象外のため、実際の市場規模はこれ以上のものであると推定される。ちなみに「公式サイト」数は2007年12月時点で1万6042サイト・事業者数は4298社。

「物販系」「サービス系」「トランザクション系」から成る「モバイルコマース市場」とは別の、「モバイルコンテンツ市場」に限ったモバイル市場の動向について、2002年以降の変移をグラフ化したのが次の図。

モバイルコンテンツ市場の変移(占い・電子書籍系は2005年以前のデータが明記されていないため反映できず)
モバイルコンテンツ市場の変移(占い・電子書籍系は2005年以前のデータが明記されていないため反映できず)

また、直近データである2007年において、前年からの伸び率をグラフ化したのが次の図。

モバイルコンテンツ市場における2007年の伸び率
モバイルコンテンツ市場における2007年の伸び率

この2つの図から、昨今のモバイルコンテンツ市場の動向は次のような状況であることがうかがえる。

・全体としては拡大傾向。前年比15.6%の伸び。
・着メロ系は2004年をピークに縮小傾向。機種機能の拡大で着うたに「おかぶを奪われる」状態か。
・電子書籍も急拡大。「ケータイ小説」の躍進が後押し。
・モバイルゲームは順調な伸び。
・待ち受け系は底堅い人気があるが、ここ数年は緩やかに市場を縮小中。
・本体の高機能化で、提供サービスの多様化。「その他」分野が増加中。


今件はあくまでも「公式サイト」のデータなので、「勝手サイト」も含めるとまた事情は異なるのかもしれない。しかし少なくとも「公式サイト」においては、携帯電話本体の性能向上や定額制度の普及によって「よりボリュームが大きく内容も充実したコンテンツ」に利用者の目が移る一方、携帯電話世代とも呼ばれる若年層のハートをとらえた「ケータイ小説」に代表される(携帯電話の性能をほとんど考慮しなくて済むテキストベースの)電子書籍が大きく飛躍している。

携帯電話の普及率が高止まりし、iアプリの導入時のような「機能の劇的な進化」が見られない昨今、2007年時点で見られたコンテンツの傾向はしばらく続くものと思われる。

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