2008年6月度のコンビニ売上高は「タスポ特需」が続き既存店は4.2%のプラス
2008年07月23日 08:00
日本フランチャイズチェーン協会は7月22日、2008年6月度におけるコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによると6月は天候が不順で雨の地域が多く日照時間も一部地域で少なかったものの、成人識別たばこカード「タスポ」の影響を受け、たばこの売り上げが堅調に推移。来店客数も大きな伸びを示した。結果として既存店ベー図の売上高は前年同月比で+4.2%に達した(【発表リリース、PDF】)。
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今調査の概要は、月次展開一覧を収録したまとめページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明している。そちらで確認してほしい。
各データについて前年同月比は次のようになる。
●店舗売上高:既存店は2か月連続のプラス、全店は12か月連続プラス
・全店ベース……+6.4%
・既存店ベース…+4.2%
●店舗数
・+1.4%
●来店客数:既存店は3か月連続プラス、全店は23か月連続プラス
・全店ベース……+4.4%
・既存店ベース…+2.3%
●平均客単価:全店・既存店共に2か月連続プラス
・全店ベース……+1.9%(584.8円)
・既存店ベース…+1.9%(578.7円)
●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+1.1%←タスポ効果の「おすそわけ」
・加工食品……-0.8%←天候不調のため
・非食品………+22.4%←タスポ効果フィーバー
・サービス……+1.3%←相変わらず堅調
・合計…………+6.4%
※既存店……1年以上営業中の店舗
6月は例年に比べると降水量が平年を上回るところが多く、日照時間も東海~西日本で少なく、さらに曜日周りでも前年同月と比べ金曜・土曜が一日ずつ少ないなど、不利な条件が相次いだ。しかしそれらすべてをカバーしてありあまるほど、成人識別カード「タスポ」関連の特需(全国で導入されることで、カードを使わない・購入するのが面倒な喫煙者によるコンビニへのシフト傾向)が顕著となり、「非食品」の分野に含まれるたばこの売り上げが大いに伸びた。また、たばこ購入者が足を運ぶため、来客数も増加。たばこは1つ300円前後で、2つ購入すれば直近の顧客平均単価を上回るなど購入額も大きいため、昨月同様に客単価も引き上げている。
喫煙者のスライドは
たばこだけでなく
他商品のセールスもかさ上げ
天候が不順で、実際にソフトドリンクや冷やし中華など、夏に向けた定番アイテムが不調となり、全体値でもマイナスの数字すら覚悟しなければいけない状況で、全項目においてプラス、特に「非食品」が前年同月比でプラス22.4%というのは飛びぬけた値。まさに【コンビニでたばこの売り上げが急増している件について】で触れた「タスポ特需」に他ならない。天候不順のためお弁当類は再び不調となったが、パンが好調とリリースにはある。たばこのついで買いアイテムには6月は「パン」が選ばれたのかもしれない。
6月は5月同様「神風」が吹いた雰囲気が強い。コンビニ側でも昨月以上にこれを好機ととらえ、積極的なたばこ販売や「ついで商品」の展開に力を注いでいる。たばこの在庫を増やし、店外から「たばこ販売」をアピールするコンビニも増えている。いつまで風が吹き続けるのかは見当がつかないが、ここしばらくはたばこ販売に後押しされる形で、業績の堅調さが続きそうだ。
なお4月から過去データについては(他の産業月次レポート同様に)まとめページにリンク集を掲載している。過去のデータは【まとめページ】からたどってほしい。
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