食料品の売り上げ堅調なれど…2008年6月度のチェーンストアの売上高、前年同月比-0.9%

2008年07月23日 08:00

【日本チェーンストア協会】は7月22日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2008年6月度における販売統計速報を発表した。それによると6月は5月同様に食料品の売り上げは堅調に推移したものの、衣料品や住関品、特に衣料品の動きが鈍かったことから、総販売額では前年同月を下回る結果が出た。消費縮小の動きは加速しているようだ(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

今調査結果は協会加入の73社・8713店舗に対して行われている。店舗数は先月比で68店舗増、前年同月比で18店舗減。売り場面積は前年同月比97.8%と2.2%ほど減っている。店舗数は増えているが売り場面積は減っている。店舗の最適化が行われているのだろうか。

昨今の傾向としては「店舗数減少、売り場面積増加、従業員数増加」というパターンが続いていた。しかし景気の不透明感や消費者の買い渋り感がいよいよ本格化しはじめたことに影響を受けてか、店舗の「リストラクチャリング」が本格化したのか、6月の統計データでは店舗数は増加しているものの、売り場面積・従業員数・売り場面積あたりの売上額すべてにおいて前年同月比マイナスの値を示している。地域にマッチした小型店舗の展開を試みているのか、あるいは単に過渡期の一時的状況なのかは不明。ただ、従業員数は前年同月比で94.0%と6.0%も減少(昨月も前年同月比で6.8%減少だった)していることから、相当な「身を削る思い」をしているようすがうかがえる。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆0814億6614万円
・食料品部門……構成比:62.0%(前年同月比102.4%、△2.4%)
・衣料品部門……構成比:12.2%(前年同月比90.2%、▲9.8%)
・住関品部門……構成比:19.6%(前年同月比95.5%、▲4.5%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比100.2%、△0.2%)
・その他…………構成比:5.9%(前年同月比98.0%、▲2.0%)


店舗数の減少など
全体的に整理統合は続く。
特売・まとめ買いで
食料品は伸びるが
衣料品などの減少は
加速を続ける

6月は食料品の偽装問題がいくつか発覚した他、いか釣り漁船が燃料費高騰をアピールするために二日間休魚するなど、食品を中心とした物価上昇を印象深くする事件が相次いだ。天候が不順で雨の地域が多く日照時間も一部地域で少なく、さらに週末が前年同月と比べて少なかったことも、前年同月比を押し下げる一因となった。

食料品は安売りセールスやまとめ買い、さらには外食を控えて自炊でまかなおうという消費性向(お米や惣菜の動きも良い)を受けて堅調な動きを示したものの、その他の分野はほぼ軟調。特に衣料品やサービス部門の下げ率がキツい。

食品部門はほとんどの項目で堅調。これはコンビニなどと比べると割安で手に入る場合が多く、100円ショップと比べれば品揃えが良く買い物が一度で済むことなど「スーパー・デパートを入手先に選ぶことのメリットが明確化できるから」だろう。この傾向は数か月ほど続いている。特に畜産品は牛肉以外はほぼ堅調なのが目に留まる。また惣菜もスナック以外はすべて良好に推移しているのが注目に値する。

今回発表月では先月同様衣料品部門の不調が目立つ。レポートでは各種商品の代表項目が並んでいるが「不調」の言葉のオンパレード状態。住関品でも組み立てボックスや枕など安価なものはそこそこ動いているが、その他のアイテムは一様にして不調となっている。

同日発表された【コンビニの6月分統計データ】では、タスポ効果で来客数が増え、さらに「ついで買い」をした人も多く、来客数だけでなく客単価もアップしたという記録が出ている。食品のまとめ買い・安値買いが出来るスーパーやデパートは食品分野ではその長所を発揮しているものの、他の分野の落ち込みはそれ以上に厳しく、全体的にもツラい経営環境が続いている。

「タスポ特需」のような特需をデパート・スーパーに求めるのは難しい。特需を天命に任せるよに、まずは自らが何を出来るか、特徴をお客にアピールできるかを考えるべきだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ