定期更新ブログ数は2006年から変わらない現実
2008年07月05日 12:00
総務省情報通信政策研究所は7月4日までに、「ブログの実態に関する調査研究」を発表した。それによると、2008年1月時点でインターネット上で公開されている日本国内のブログ総数は1690万に及び、記事総数は13億5000万件に達していることが明らかになった。また、ブログ総数は漸次増加傾向にあるものの、アクティブなブログ数に変化はあまりなく、「作っても三日坊主で放置」「スパムブログ」が増加分の多くを占めていることが推測される(【発表リリース】)。
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今調査は情報通信政策研究所が独自に開発したシステムを使った調査と、ブログ解説経験者を対象にしたアンケートなどを併用して取得した情報を元に分析したもの。詳細については現時点では非公開。
国内のブログ(日本語で提供されているブログ)総数は2008年時点で約1690万ブログ。アクティブブログ(一か月に一回以上記事が更新されている)ブログはそのうち万308万ブログ。それらのブログの記事を集めた総記事数は約13億5000万件、データ総量は42テラバイト、そのうちテキスト情報は約12テラバイトに及ぶ。ちなみにこのテキストの情報量、書籍に換算すると約2700万冊分に相当するとのこと。
自然・意図的に消去されるブログ数を上回る数でブログは新規開設され、その総数を増やしている。ブログサービスが各プロバイダから乱立した一時期の「ブログブーム」と比べればやや大人しめになったものの、増加傾向にあることには違いない。
毎月の新規開設ブログ数推移
日本国内ブログ総数推移
しかし上記グラフを見ればお分かりの通り、インターネットの世界に登場するブログ数は増加する一方で、アクティブブログ(一か月に1度以上更新される、「生きている」ブログ)の数は2006年初頭の300万件前後をピークに、ほぼ横ばいで推移していることが分かる。
アクティブブログ内の新陳代謝(新規ブログがアクティブブログ化する一方、アクティブブログの中に放置ブログ化するものもある、ということ)も多少はあるのだろう。しかし俗に言う2006年前後の「ブログブーム」以降に開設されているブログの多くが、「開設してしばらくすると放置されてしまう(更新されない)『三日坊主ブログ』」か、「スパムを目的とした(=制作側の手が加わらない、更新されない)『スパムブログ』」であることを示唆している。
「ブログ」という形態が大きく世に認知されたのは、2001年9月11日の「9.11.事件」による情報の伝達と公開によるものとされている。日本では2003年12月に「はてなダイアリー」がブログ形態のサービスとして提供されたのがきっかけで、2004年から2006年にかけて多くのプロバイダーやポータルサイトが集客用サービスの一つとして提供を行い、まさに百種百様のサービスが乱立する事態となった。
「気軽に、文章を書く感覚でホームページを作れる(=インターネット上に情報を展開できる)」という便利さは多くの人に受け入れられたが、同時に【ブログ急成長で毎時5万件の書き込みとの調査結果。更新通知を装うスパム問題への懸念も】や【「ワードサラダ」とRSS取得による自動生成ページ&トラバなスパムたち】で伝えているようにスパムの手段として用いられるケースも急増、特に検索の上で「インターネット上のゴミ」を増やす事態におちいっている。
だからこそ「止める」ハードルも低い。
今回発表されたデータからは「有効に、正しく活用されている思われるブログ」数は300万ブログで2006年から変わらず、それからの2年強の間は「数的には」スパムブログと放置ブログばかりが増えたという計算になる(※「2006年以降に開設されたブログのほとんどがスパムと放置ブログ」ということを意味してはいない。あくまでも数量的な観点からの話。繰り返しになるが、新設されたブログがアクティブブログの仲間入りをしたり、アクティブブログが放置ブログになることも多々あるからだ)。
もちろん、「三日坊主ブログ」が悪いというわけではない。記録保全用としてあえてそのスタイルを残しているものも多いだろう。しかし「毎日更新します★」と銘打たれたタイトルの最終更新日が去年の夏というブログなどを見ると、物悲しくなると共に今回のデータを改めて実感してしまう。恐らくは、ハードルが低いがゆえに、「簡単に始められる」からこそ「簡単にさじを投げられる」という認識も大きいのだろう。
一方で、増加の一端を担っている「スパムブログ」に対しては、特効薬が見つからない。それだけに、検索エンジンや各プロバイダー側の「さらなる努力」を「強力に」求めたいところだ。
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