味の素の冷凍食品、家庭用冷凍食品15品目を値上げへ
2008年07月08日 06:30
【味の素(2802)】の完全子会社で冷凍食品を取り扱う味の素冷凍食品は7月7日、8月21日から同社の冷凍食品を8月21日以降価格改定や分量改定、原材料などのレシピ変更を行うと発表した。希望小売価格は未設定なので改定額は明記されていないが、価格見直し品については約15~20%の値上げ、分量は10%ほどの削減となる。一部報道では値上げ幅は11~35%と報じている(【発表リリース】)。
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今回味の素冷凍食品では価格・分量改定(値上げ)に伴い、新商品やリニューアル品の大規模な展開を実施している。これは冷凍食品市場のてこ入れと拡大を目指すためのもの。新商品では炭火焼き鳥やほうれん草、フレンチフライポテトなど、既存のラインアップを補完しバリエーションをアップするための品揃え。一方リニューアル品はコロッケなどにおいてパッケージデザインを一新する。また、「えびグラタン」シリーズがえびを2割増量しチーズの配合を見直すなど、関連原材料の高騰に対応したレシピの変更も行われている。
この新商品展開・リニューアルとあわせて行われるのが、レシピ・容量・価格の改定。詳しくは次の通り。
シリーズ | 製品名 | 容量 | 変更項目 |
フレック |
フレック洋食亭 |
165g |
・指定農場の牛肉・鶏肉・豚肉を使用。 |
フレック |
フレック洋食亭 |
160g |
・指定農場の牛肉・鶏肉・豚肉を使用。 |
フレック |
フレック洋食亭 |
180g |
・指定農場の牛肉・鶏肉・豚肉を使用。 |
お弁当に |
カップに入った |
120g |
・指定農場の牛肉・豚肉・野菜を使用。 |
Hot!1 |
こんがりえびグラタン |
210g |
・えび20%増量・チーズ配合変更。 |
Hot!1 |
こんがりえびドリア |
210g |
・えび20%増量・チーズ配合変更。 |
おいしい! マイパック |
ふっくらジューシー |
90g |
・エリンギを使用。 |
おいしい! マイパック |
プリプリジューシー |
75g |
・エリンギを使用。 |
味の素冷凍食品 |
北海道まるごと |
480g |
・原材料の96%が北海道産。 |
味の素冷凍食品 |
北海道まるごと |
480g |
・原材料の96%が北海道産。 |
味の素冷凍食品 |
シューストリング |
300g |
指定農場化による収穫農場変更。 |
味の素冷凍食品 |
北海道フレンチフライ |
300g |
北海道庁公認ロゴ使用。 |
(2)価格の見直し(3品種)
シリーズ |
製品名 |
容量 |
変更項目 |
味の素冷凍食品 |
グリンピース |
300g |
約15%の価格改定。 |
味の素冷凍食品 |
スーパースイートコーン |
300g |
約15%の価格改定。 |
味の素冷凍食品 |
ミックスベジタブル |
300g |
約15%の価格改定。 |
2008年8月21日(木) | ; | 下記4製品を除く |
2008年9月4日(木) | ; | 「カップに入った チーズハンバーグ」 「グリンピース」 「スーパースイートコーン」 「ミックスベジタブル」 |
説明によると今回の値上げや原材料の変更は、価格が高騰している油脂(バイオエタノール需要に基づく大豆の作付け減)、野菜(バイオエタノール需要に基づく冷凍野菜向け原料の高騰)、牛肉および乳製品(飼料価格の高騰)を主な原材料として使用している製品15品が対象となる。
単なる値上げ、内容量の減少で終えることなく、これを機会に新商品も展開して種類の豊富さをアピールしたり、生産地やプロセスなどにおける安全性をさらに高めてアピールを強化、お弁当箱に入れやすい形状カップを採用するなど、さまざまな工夫を凝らしているのが目に留まる。これが吉と出るか凶と出るかは、消費者の反応次第。
今回の値上げ・規格改定がどこまで関連商品の売上や利益に影響するのかは、発売後少なくとも半年は見る必要がある。同社では月次報告書は提示していないようなので、四半期決算の数字とそれにコメントされる現状を注意深く見守っていく必要があるだろう。
なお味の素は【味の素もマヨネーズを値上げ・17年ぶり】や【小池さんも大打撃!? 「チャルメラ」「一平ちゃん」も冷凍エビ食品も値上げへ】にもあるように、主力商品のマヨネーズや鳥のから揚げ・えびグラタンなどの値上げ(と減量による実質値上げ)を行っている。今回冷凍食品では大手に属する味の素冷凍食品において、冷凍食品の多くで値上げが実施されることにより、同業他社が追随する可能性は十分ありえるといえよう。
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