【更新】日経平均株価が12日続落した件について
2008年07月05日 12:00
先の[株式市場雑感(08/07/4)]でお伝えしたように、日経平均株価(以降「日経平均」)がついに12営業日連続してマイナスで終わってしまった。これは先に【日経平均株価が11日続落した件について】で説明したように、1953年5月21日から6月3日の12日間を抜き、同数で史上第3番目の出来事になる。まさに55年ぶりのお話だ。
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現時点で[日経平均プロフィルの続落記録表示ページ]を見てみると、あらためて今回の記録が驚くべきものかが分かる。
続落日数ランキング。現在歴代同列第3位。
なお先の記事でも触れているが、今回の「続落」では、株価そのものの下げ幅が比較的小さいのも特徴。7月4日もやや大きく下げる場面はあったものの、引けにかけて持ち直す気配が見られ、結局終値では前日比27円51銭のみのマイナスだった。現時点でもやはり「急落をひかえた前兆」「ゆでガエル状態」と見るのか、「強い下支えの気配」と判断すべきなのかは分からない。もちろん昨日金曜の下げが「セリング・クライマックス」と呼ぶには下げ幅も出来高も足りなかったことも事実であり、反発の兆しは見えにくい。
現在進行中の分を除くベスト(!?)3についてそれぞれ続落の原因をたどってみると、大体次のような事情がある(再録、一部修正)。
1位……15日間(1954年4月28日~5月18日)
朝鮮特需・戦争特需と呼ばれた朝鮮戦争における特別需要が過ぎ去り、反動による景気低迷による影響
2位……13日間(1949年11月14日~11月29日)
連合国軍総司令部(GHQ)の経済顧問であるジョゼフ・ドッジによる経済安定9原則によって引き起こされたドッジ不況が原因。ドッジ氏の政策でインフレはストップしたが逆にデフレが進行してしまった
3位……12日間(1953年5月21日~6月3日)
世界の二大大国の一方の国ソ連(今のロシア)における好戦的な最高指導者スターリンが亡くなり、「(消費を加速する)戦争が減る」という思惑を生み、軍事関連株が暴落。これがトリガーとなり株価の大変動が起きる(スターリン・ショック)。ちなみに是川銀蔵氏はこの急落を予想したことでも知られている
いずれも戦後日本近代史を学べば必ず出てくるような、大きな経済的事件ばかり。逆に考えれば、現在はそれら朝鮮特需・ドッジ不況・スターリンショックに匹敵する状況にあると認識すべきなのだと、日経平均が伝えていると考えることもできよう。
後世において今回の続落は「サブプライムローンと原油高」を起因とした、と語られることになるのだろうか。あまり想像したくはない未来の世界である(正確にはサブプラと需要急増、なのだがそれではひとめでわかりにくい)。
繰り返しになるが、今回の「連敗」は他の連敗記録と比べ株価そのものの下落率・額が非常に小さいことも特徴の一つ。タイ記録となった1953年5月21日から6月3日の際の下落率は9.17%。この割合と同じとして逆算すると、現水準の日経平均では1万3127円50銭となる。やはり1万3000円台を底値として反発をうかがう展開が続くのだろうか。
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