【更新】日経平均株価が11日続落した件について
2008年07月04日 06:30
先の[株式市場雑感(08/07/3)]でお伝えしたように、日経平均株価(以降「日経平均」)がついに11営業日連続してマイナスで終わってしまった。これは先に【日経平均株価が10日続落した件について】で説明したように、1965年2月19日から3月2日の10日間を抜き、単独で史上第4番目の出来事になる。残るは上位3つの記録のみというあん配だ。
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現時点で[日経平均プロフィルの続落記録表示ページ]を見てみると、あらためて今回の記録が驚くべきものかが分かる。
続落日数ランキング。現在歴代単独第4位。
なお先の記事でも触れているが、今回の「続落」では、株価そのものの下げ幅が比較的小さいのも特徴。今日の時点でもやはり「急落をひかえた前兆」「ゆでガエル状態」と見るのか、「強い下支えの気配」と判断すべきなのかは分からない。ただ、昨日木曜の下げが「セリング・クライマックス」と呼ぶには下げ幅も出来高も足りなかったことだけは違いない。
今日、仮に続落となれば12日間連続であり、これは歴代第3位タイとなる。この第3位を含め上位陣(!?)についてそれぞれ続落の原因をたどってみると、大体次のような事情がある。
1位……15日間(1954年4月28日~5月18日)
朝鮮特需・戦争特需と呼ばれた朝鮮戦争における特別需要が過ぎ去り、反動による景気低迷が影響
2位……13日間(1949年11月14日~11月29日)
連合国軍総司令部(GHQ)の経済顧問であるジョゼフ・ドッジによる経済安定9原則によって引き起こされたドッジ不況が原因。ドッジ氏の政策でインフレはストップしたが逆にデフレが進行してしまった
3位……12日間(1953年5月21日~6月3日)
色々な意味で歴史を作ったソ連(現在のロシア)の最高指導者スターリンが亡くなり、これをきっかけに起きたスターリン・ショックによる影響。ちなみに是川銀蔵氏はこの急落を予想したことでも知られている
いずれも戦後日本近代史を学べば必ず出てくるような、大きな経済的事件ばかり。逆に考えれば、現在はそれら朝鮮特需・ドッジ不況・スターリンショックに匹敵する状況にあると認識すべきなのだと、日経平均が伝えていると考えることもできよう。
後世において今回の続落は「アメリカのサブプライムローン問題を端に発した世界的な金融信用不安と、当時の政府の無策による影響」と語られることになるのだろうか。あまり想像したくはない未来の世界である。
ちなみに本日11日も下落で終われば、歴代同列3位となる。この場合「スターリン・ショックと同じ」と表現することになろう。
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