ジンバブエ、100億ドルを10ケタ切り下げ1ドルにするデノミ実施

2008年07月31日 08:00

デノミネーションイメージジンバブエ中央準備銀行は7月30日、同国の通貨であるジンバブエ・ドルについて、8月1日から100億分の1に切り下げる「デノミネーション」を実施すると発表した。10ケタの切り下げが行われ、「100億ジンバブエ・ドル」が「1ジンバブエ・ドル」となる(【発表リリース、PDF】)。

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デノミと共に登場する新紙幣
デノミと共に登場する新紙幣

「デノミネーション(デノミ)」は流通通貨の量が大規模なものとなって価値が大きく下がってしまい、市場が混乱している場合に行われる政策手段の一つ。通貨のケタを切り下げることで計算上などの煩雑さを防ぐと共に、新通貨の切り替えの際に銀行からの引き出し・利用数を制限したり、期間内に交換しなかった旧通貨の使用を差し止めることで、市場流通通貨の数を減らし、流通通貨の量を減らす意図がある。

今回デノミが行われたのは、ハイパーインフレが進行していること自体はもちろんだが、【ハイパーインフレのジンバブエ、大規模なデノミネーションの可能性】でも触れているように計算上の処理が面倒なことになっているのが原因。

なお今回のデノミ実施に伴い、中央準備銀行側では

新紙幣……500、100、20、10、5、1ジンバブエ・ドル
新貨幣……25、10、5、2、1ジンバブエ・ドル。50、20、10ジンバブエ・セント


の新紙幣・貨幣の発行も発表している。

今回のデノミネーションが一時的ではあるが同国の経済の混乱を収める可能性があることは事実。それと共に、経済・政治的なインフレ解決の糸口が見えなければ、早々に再び「ゼロ」がいくつも並ぶ紙幣を新たに発行しなければならない事態に陥ることは、日の目を見るより明らかといえよう。


(最終更新:2013/08/04)

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