世界規模でしょう油人気高まる・昨年輸出量は過去最高に

2008年06月30日 19:40

しょう油イメージ横浜税関は6月26日、定例記者会見を開き、横浜港と横浜税関管内における2008年5月分の貿易速報を発表した。またそれと共に2007年の輸出実績において、横浜港・全国共に「醤油(しょう油、しょうゆ)」の輸出量が過去最高を記録したことを発表した(【発表リリース】【特別発表リリース、PDF】)。全国規模では2007年のしょう油輸出量は1万7781キロリットルに達しており、今後も増える様相を見せている。

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しょう油の一世帯あたりの年間購入数量と輸出数量の推移
日本国内におけるしょう油の一世帯あたりの年間購入数量と、輸出数量の推移

グラフを見ればお分かりのように日本国内での消費量が漸減する一方、しょう油の輸出量はじわじわと増加の一途をたどり、昨年1年間に日本から海外に輸出されたしょう油の量は前年比4.0%増の1万7781キロリットルに達している。直近の2007年統計を取り始めた1988年以来最高量を記録したことはもちろん、当時(7942キロリットル)と比べると約2.2倍にまで増加している。

全国レベルでのしょう油の輸出量及び輸出額推移
全国レベルでのしょう油の輸出量及び輸出額推移

輸出先としてはアメリカがもっとも多く22.5%、次いで中国12.5%、香港の9.5%、韓国の7.1%などとなっている。また、オーストラリアやイギリスなど、一見しょう油とあまり関係のなさそうな国も上位にランクインしている。

しょう油の国別輸出実績比率(2007年)
しょう油の国別輸出実績比率(2007年)

しょう油は元々輸出品としては漸増傾向にあったもの、5年ほど前から急増する様相を見せている。しょう油の人気の高まりについて横浜税関では

1.日本食が脂肪・たんぱく質・糖のバランスの良い健康食として、広く知られるようになるにつれ、本物志向からしょう油などの調味料も日本製のものを求める傾向がある。
2.しょう油は、肉料理に合うことなどから各国の食文化と融合し、日本の調味料から世界の調味料に変わってきた。
3.日本食人気から、これまで消費の少なかった地域での需要が増加している。


とその理由を説明すると共に、今後も堅調に推移していくものと予想している。

しょう油イメージなおしょう油最大手で知られる【キッコーマン(2801)】でも6月6日記者会見を開き、海外のニーズの高まりに合わせて海外事業を大幅に増強。数年内に海外でのしょう油販売量が日本国内での販売量を超える見通しを明らかにしている。現状では国内25万キロリットル・海外20万キロリットルだが、2020年度には国内35万キロリットル・海外65万キロリットルにまで増強する予定とのこと(【共同通信6月7日配信】)。

原材料となる小麦や大豆の価格は上昇を続けているが、それ以上に健康志向などでしょう油の需要が伸び、今後もしょう油産業は堅調に推移することだろう。品質の維持管理に注意しながら、世界の求めに応じ、ワールドワイドなソイソースブームを演出してほしいものだ。

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