禁煙者は賛成、喫煙者は反対・立ち位置で異なるたばこ増税論への見解
2008年06月27日 06:30
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは6月26日、たばこの増税と値上げに関する調査結果を発表した。それによると非喫煙者(=禁煙者)はたばこ増税に賛成している向きが強いのに対し、喫煙者の大部分は増税に反対していることが明らかになった。やはりたばこを普段吸っているか否かで、増税論への見解も大きく異なるようだ(【発表リリース】)。
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今調査は6月13日から6月16日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの会員に対して行われたもので有効回答数は405人。男女比は52.8対47.2。年齢構成比は20代16.5%、30代46.7%、40代29.9%、その他6.9%。各項目層に分けた場合のそれぞれの母数が100を切っている場合もあるので、結果の一部には統計学上大きな「ぶれ」が生じている可能性を考慮した上でデータを見なければならない。なお喫煙者・非喫煙者の比率は25.4%対74.6%と、「四人に一人が喫煙者」だった。男女別では男性は約3割、女性が約2割。
設問中の「たばこ増税論」とは、ここ数か月の間に急速に論議が行われるようになったもので、「たばこ1000円への値上げ論」とした方が話が通りやすい。要は「消費税値上げ賛成派」「反対派」の政治抗争の中で「反対派」、つまり「消費税を上げなくとも他の部分を節約したり増税することで、税収不足分はまかなえる」とする論派に「たばこ値上げ」がターゲット化された形。元々以前からたばこの値上げは健康問題と絡めて要望する意見があったこと、諸外国では日本以上に禁煙活動が盛んで、1000円前後の価格による販売もよくある話なことから、ここぞとばかりに注目を集め、論議・推進されている。
さて、その「たばこ増税論」そのものについてだが、賛否についてたずねたところ、喫煙・非喫煙者の分類では当然のごとく喫煙者の反対・喫煙者の賛成が多いという結果が出た。
たばこ増税に賛成?
調査母体全体では賛成が71.9%、反対が28.1%と、「増税賛成が7割、反対が3割」という結果が出ている。しかし自分が喫煙しているか否かで分けると、禁煙者は9割近くが増税に賛成している。一方、喫煙者の場合は賛成が2割強に過ぎない。
これは当然といえば当然のことで、たばこ増税が実際に行われた場合、火の粉が降りかかるのは(基本的に)喫煙者に対してのみ。自分のお財布事情に関係ある・なしが直接関わるのだから、特に喫煙者にとっては「冗談じゃない」というのがホンネ。
しかしそれでも喫煙者の中にも2割強が「たばこ増税に賛成」と答えている人がいるのは注目に値する。
喫煙者、たばこ増税反対派が
少ない
↓
健康意識の高まりか
消費可能金額の少なさが
原因か
喫煙者にとって、1本のたばこ毎に税負担増をしみじみと感じてしまう「たばこ増税論」が他人事ではないのは理解できる。その上で2割が賛成しているということは(許容増税額の違いはあれ)、何らかの後ろめたさを感じているか、国庫の危機感を認識し「仕方ない」と思っているのだろう。
元資料には男女別、年齢階層別の賛否率も掲載されている。男女別では元々喫煙者比率が異なることを考えると、全体とほぼ同じような割合となっている。また年齢階層別に見ると、歳を経るにつれて(高齢になるにつれて)たばこ増税に反対する人が増えているのがわかる(40代では20代と比べて10ポイント近く反対派の数が多い)が、こちらも「そもそも論」として高齢なほど喫煙者が多いのが原因だろう。
健康問題の浸透と共に、お金の使い方への考え、あるいは額そのものの違いが年齢層間にはあり、それが喫煙率、さらにはたばこ増税への見解の違いにも現れているのかもしれない。
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