コンビニ弁当に「ちょいミニサイズ」が増える理由!? ~コンビニ弁当のお供「デザートかサラダ」「お茶」と予算の関係
2008年06月25日 08:00
インターネット調査会社のマイボイスコムが6月23日までに発表した調査結果によると、コンビニエンスストア内で提供され、購入できるお弁当(コンビニ弁当)を買う際に、一緒によく買う食品は飲食物が「デザート」「サラダ」、飲料水は「ウーロン茶や緑茶などのお茶」であることが明らかになった。メインの食事としてお弁当を買い込み、プラス1品にはボリューム不足をおぎなうための副食を選ぶより、デザート、あるいは野菜補充のためにサラダを求める、というスタイルが一般的なようだ。またこのスタイルとお昼代の予算、コンビニ弁当のサイズの傾向には、ちょっとした関連性があるようにも見える(【発表リリース】)。
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今調査は6月1日から5日までの間にインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1万4071人、男女比は46対54、年齢階層は30代がもっとも多く39%、ついで40代29%、50代の16%など。なおコンビニ弁当を利用する人に「主にどの時間帯の食事で?」とたずねたところ、74.0%が昼食、19.1%が夕食と答えている。
さらにコンビニ弁当を買う人に「一緒に買う飲食物(お茶などの飲み物は除く)は何か」をたずねたところ、「デザート」と答える人がもっとも多く3割近くを占めた。
コンビニ弁当を買うときに、一緒に買う飲食物はなんですか?
パターンとしては「コンビニ弁当」が主食、場合によっては不足しがちな青物を「サラダ」で採り、さらに食後には「デザート」を、というパターンなのだろう。ボリュームよりは「栄養バランス的な不足」を補う目的が強いようだ。
コンビニ弁当そのもののボリューム不足からもう一品、とばかりにおにぎりや菓子パンなど、さらには弁当と並列して棚に収められ「一緒に手に取ってくれ」と自己主張をしている「惣菜類」は意外に選択されていないことが分かる。さらに、レジ横に陳列され、そのビジュアルや香りで購入者を誘惑させる(と共に利益率の高い)ホットコーナーにある料理群も、「コンビニ弁当」のお供にはあまり選ばれていない。「他に食べ物を買わない」層が回答の中では一番多いことをあわせ、「コンビニ弁当」利用者には「プラスαの食材」はそれほどニーズが高くないのかもしれない。あるいは趣向が多極分散化しているのだろうか。
一方「飲み物」では圧倒的に「お茶(ウーロン茶や緑茶)」が多い。実に8割以上が選んでいる。
コンビニ弁当を食べるときに、一緒に飲むものはなんですか?
コーヒーは別口としても、ミネラルウォーターや紅茶、野菜飲料など「お弁当と共に」との自己主張の大きい飲料たちも選ばれているが、その数はお茶のニーズにははるかに及ばない。「コンビニ弁当」はご飯系のものが多いこともあり、「ご飯にはお茶」という考えが浸透しているのだろう(水こと「ミネラルウォーター」が意外に少ないのは「水では味気ないしもったいない」からだろうか)。なお「一緒に飲むものはなんですか?」の問いに「飲み物は一緒に飲まない(買わない)」との回答は2.3%に過ぎず、ほぼすべての人がお弁当と一緒に何か飲み物を買っていることが分かる。
今回のアンケートはインターネット経由であることを考えると、ボリュームの大きい弁当を求める傾向が強い肉体労働者の人たちの回答割合が少ない可能性もある。それゆえに「惣菜やおにぎりなどプラスαの食品を買ってボリュームを補う」傾向があまり見られなかったのかもしれない。また、男女両方への問いのため、後述する「サラリーマン」のみとの傾向も多少のずれが生じている可能性はある。
それらを差し引いても、今調査からは「コンビニ弁当を買う人は『お弁当』+『お茶』、場合によっては+『(青物補充の)サラダ』か『(口直しの)デザート』」というパターンで購入していることが推測できる。コンビニ期待の「レジ横商品」も、お弁当購入の際にはあまり好まれないようだ。
調査方法や対象は異なるが、傾向として【昼食代 1年間で20円安 現在570円ナリ】【サラリーマンの小遣いと昼食代の微妙な関係】にもあるように、サラリーマンの昼食予算は平均で570円。ペットボトルのお茶が120円平均だから、それを差し引くと「コンビニ弁当」そのもの、あるいは「コンビニ弁当」+サラダかデザートに割ける予算は450円という計算になる。OLでもこの予算には大きな違いはないだろう。
ボトルのお茶は120円
∴450円でお弁当単品か、
お弁当+サラダかデザートを
選ばねばならない・選びたい
→ちょいミニサイズ弁当の
ニーズが高まる
コンビニのお弁当コーナーに目を向けてもらうとお分かりのように、「メガブーム」よろしく大ボリュームのお弁当がコーナーの大きな面積を占めている。しかしその一方で最近では、通常のお弁当より少々サイズを小さくした、ややミニサイズで400円前半から300円台のお弁当の種類が増えているのに気がつくことだろう。400円台ならそれ単品であきらめるしかないが、300円台なら少々調整することでカップサイズのサラダかデザートをつけることができる。
日配食品では対外的な宣伝としては「メガ」な大ボリュームのお弁当が続々登場している。ニーズが確実に存在することと、客単価を引き上げる効果があり、日配食品のけん引役としてもてはやされているが、実情として日配食品の低迷は続いている。コンビニ側が求めるほどの「効果」は得られていないようだ。
他方「メガブーム」に隠れる形でコンパクトサイズのお弁当も少しずつ浸透しつつある。コンビニ弁当のバリエーションの現状における移り変わりも、(主にお財布事情から生じる)利用者のニーズに添った形での変化なのかもしれない。
(最終更新:2013/08/05)
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