「いつかかってくるか分からない」若年層の携帯電話の使いすぎはストレスを増やして睡眠不足に!?

2008年06月25日 08:00

睡眠イメージ【HealthDay】が伝えるところによると、携帯電話に病み付きになった(addicted to their cell phones)10代の若者は深い眠りにつくことが出来ず、それが原因で不健康になる可能性があることがスウェーデンの研究によって示唆された。スウェーデンのSahlgren大学の臨床神経科学部門准教授であるGaby Bader博士が検証した結果によるもの。

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今研究は事前に睡眠の規則性には問題がないと診断された14歳から20歳の健康なスウェーデン人の男女21人を対象に実施したもので、被験者を「電話・ショートメッセージ(電子メール以外)を1日5回利用する」「15回以上利用する」の2グループに分類。その上で両グループを質問票でさまざまな調査を行い、一週間分の睡眠チェック、睡眠検査、さらには2日間の心臓活動に関する検査も実施した。

ショートメールや電話の平均利用回数は1日あたり35~40回だったが、「15回以上」のグループの中には1日200回以上という過度な利用者もいた。また「夜中には携帯電話の電源を切る」と回答したのはわずか1人しかいなかった。

調査結果によると、「15回以上」のグループは「5回利用」と比べると睡眠時間の不規則性だけでなく、入眠障害(なかなか眠りの状態に移行しにくい)、断続的な目覚めによる睡眠不足の症状が多く見られたという。さらに興奮させるような飲料(強壮剤か炭酸、カフェイン系の飲み物か?)の摂取量も多く見られ、携帯電話の利用が多いグループは落ち着きがなく、ストレスや疲労も大きかったとのこと。

睡眠時間そのものの短縮だけでなく
「いつ連絡があるか分からない」という
プレッシャーが
脳の「眠りたい」信号を
さえぎることになる。

研究グループは「携帯電話などの新しい技術はすぐに若年層に広がる。そしてこれらは24時間365日『連絡があるかも』というプレッシャーを利用者に与えるため、思春期の子どもには健康の面もあわせて悪影響を及ぼす」「若年層への携帯電話などの浸透はますます加速度的に進んでいく。彼らは携帯電話と共に生まれ、成長している。彼らには携帯電話に生活を縛られないよう、いつ電源を入れて切るべきかを教える必要があるだろう」と述べている。

睡眠と健康・寿命との関係の専門家であるアメリカのE.P. Bradley病院のMary Carskadon博士は、この研究結果に半ば当然のことだとした上で、「人と接触している状態は、眠らないでいるための最良の方法の一つ。だから脳が『眠りたい』という警告を発している時に携帯電話で通話をしたりメッセージを受け取ると、人と接触していることになり、脳の信号を無視することになる。そのような行動が結局身体に無理をさせる結果につながってしまう。興奮させるような飲料を多量に飲むのもそのせいだろう」と研究結果内容についてコメントしている。そして「彼ら若年層の選択がいつも正しい選択をしているとは限らない良い事例であり、親か注意を払うことが有益かもしれない」と主張しているとのこと。

今件は被験者がわずか21人だったということから、「参考値」以上の価値は見出せないようにも見える。推測を確かなものとするためには、最低でもあと5倍の検証が必要になるだろう。しかし例えば日本でも【女子高生 ケータイ利用は 一日2時間 寝る間も惜しんで メールで やりとり】【携帯の利用頻度は「メール」「通話」「ネット」の順、お昼と帰宅後はメールばかり】にもあるように、睡眠時間を削ったり寝ている間も対携帯電話・準臨戦体制にあるかのような若年層のようすがうかがえると共に、博士らの主張を裏付ける状況が見て取れる。今後携帯電話の普及がますます進行することを考えると、さらなる研究が求められよう。

なお元記事には若年層の睡眠問題に関する言及記事【Common Sleep Problems】が参照リンクとして掲載されている。こちらも興味深い話なので、おりをみつけて紹介することにしよう。


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(最終更新:2013/08/05)

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