シャープと関西電力が世界最大級の太陽光発電所を大阪堺市に建設
2008年06月24日 06:30
【シャープ(6753)】と【関西電力(9503)】などは6月23日、大阪府堺市の臨海部において、大型の太陽光発電所と発電施設を共同で建設することを発表した。堺市西区の産業廃棄物埋立処分場「堺第7-3区」において大規模な集光パネルを設置、隣接する堺市堺区築港八幡町に発電施設を建設する。2009年には着工し、2011年に運転を開始する予定。完成すれば現時点では世界最大の規模の太陽光発電所となる(【発表リリース】)。
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太陽光発電所(上)と太陽光発電施設(下)
リリースによれば建設する発電施設の名称は(いずれも仮称だが)「堺第7-3区太陽光発電所」と「堺コンビナート太陽光発電施設」。前者は大阪府から土地を借りて約50億円をかけ、大規模な太陽光発電パネルを設置。発電出力10メガワットほどの発電規模にする。一方後者は該当する場所にシャープやその他進出する企業によるコンビナートが建造されるが、その工場の屋根の上に太陽光発電施設(太陽光発電パネルとその関連ユニット)を設置し、コンビナート内の自家消費電力として使用する。こちらは発電出力は18メガワット。なおこれらの発電所にはシャープが2010年3月までに稼動を予定している太陽電池新工場で生産する薄幕シリコン太陽電池モジュールを採用する予定。
合計するとこの地域における発電出力は28メガワットで、現在稼動中の太陽光発電所の中ではスペインに存在する23メガワットのものを抜いて世界最大のものになる(ただし計画となると別で、例えば【AFPによると】2011年までに稼動する予定の、アメリカの太陽光発電所は280メガワットの出力を持つ)。
太陽光発電は発電過程でほとんど二酸化炭素を排出しないため、今回の計画による二酸化炭素削減量は、年間で1万トンほどにもなるという。さらにこれほど大規模な計画である以上、その肯定で太陽光発電に関するさまざまなノウハウや経験が得られることになるが、その内容は広く公表していく予定であるとしている。
太陽光発電は太陽熱発電と並び、原油に続く次世代エネルギーの主力の一つとして注目を集めているエネルギーシステム。昨今の原油高で開発機運が高まっていることもあり、世界各地で大規模な開発合戦と共に、実際に大きな建造計画が推進されている。日本は元々諸外国と比べると平らな土地が少なく、不利な立場に追いやられているが、そんな悠長なことも言ってられなくなったということだろう。
もっとも今回の「埋立地利用」のように、工夫をすればそれなりに「利用できる」土地は山ほど(むしろ「山にほど」)ありそうな気もするのだが。
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