ダイエットにもっとも重要なのは●●をしっかり採ること!?
2008年06月19日 12:00
【BBC News】が伝えるところによると、一日の摂取熱量の半分を朝食で採るという「しっかり朝食ダイエット」をした人は、それより小食の「低糖質ダイエット」をした人より良い減量成果が出たことが明らかになった。この研究結果を受けてアメリカのバージニア連邦大学のDaniela Jakubowicz博士は「朝食をしっかりとらないと、かえってその後の時間の食欲を増進させてしまうのではないか。それがダイエットにはマイナスに働くのだろう」と述べている。またイギリスの調査機関Rowett Research Instituteの専門家Alex Johnstone博士も「朝食をしっかり採るという減量方法は、ダイエットをする人にも好意的に受け止められるだろう」とコメントしている。
スポンサードリンク
Jakubowicz博士は15年もの間、自分の担当患者に対して「たっぷりと朝食を採りなさい」と勧めている。また博士は96人の肥満体で出不精の女性を2グループに分け、一方に対し、低糖質ダイエットを試みることにした。このダイエットは1日に1085キロカロリーのみを摂取するというもので、その大部分はプロテイン(たんぱく質)と脂肪分で構成されている。そしてそのダイエット方法では朝食はわずか290キロカロリー、炭水化物は7グラムに過ぎない。
一方、博士が常に勧めている「しっかり朝食ダイエット」では一日あたりの摂取熱量は1240キロカロリー。脂肪分をより少なめにし、糖質とたんぱく質を多めに採らせた。朝食は特に610キロカロリーと多めで、58グラムの糖質を採らせ、一方で昼食・夕食にはそれぞれ395キロカロリー、235キロカロリーにセーブした。
4か月経過の時点では、低糖質ダイエットは良好に進展しているように見えた。平均で28ポンド(12.7キロ)もの体重減に成功していたからだ。一方で「しっかり朝食ダイエット」は平均23ポンド(10.4キロ)にとどまっていた。
しかしそれからさらに4か月経過した8か月後、状況は一転した。「しっかり朝食ダイエット」のグループは体重を平均でさらに16.5ポンド(7.5キロ)減らし続けている一方、低糖質ダイエットでは平均18ポンド(8.2キロ)ものリバウンド(体重増)を経験する羽目になったのだ。8か月のダイエット期間の間、「しっかり朝食ダイエット」グループは平均で体重そのものを20%も減らすのに成功したのに対し、低糖質ダイエットでは5%に達することすらできなかった。
Jakubowicz博士は「しっかり朝食ダイエット」をした人の多くが、特に午前中の間は空腹感をあまり感じなかったと述べている。「多くの検証において、ダイエットの手法として低糖質ダイエットが適切とはいえないことを示している。低糖質状態におかれると新陳代謝が低下してしまう。その結果、短期的には体重が減るかもしれないがすぐにリバウンドすることになる」
また博士は(特に繊維質と果物を含んだ)朝食をしっかりと採ることで一日中「満腹感」を得られ、それが心身ともに健康的な日常生活をもたらすとも主張している。
一方Alex Johnstone博士も別の事例を提示して「低糖質ダイエットは短期間の体重減には役立つが、中長期的にはダイエット方法としては適切でない」と述べている。食欲をどれだけ減らせるかがダイエットにおいては重要なのであって、その点では低糖質ダイエットは「しっかり朝食ダイエット」と比べると劣っているとのこと。「糖質が高い方がダイエットとしては続けやすい方法なのかもしれない」。
食欲を抑えられず
リバウンドのリスクが。
しっかり朝食を採れば
長時間満足感は続く。
シンプルなダイエットとして
歓迎されるだろう。
イギリスのNutrition財団の広報は次のように語る。「適量の朝食はダイエットにプラスとなる。朝食を採ることが体重のコントロールを手助けすることになる」。その理由は言われてみればなるほど、というものだ。「多分、ではあるが。朝食を満足に採らないとおなかが減ってしまい、昼飯前にビスケットやドーナツ、ミニパイのような間食をとってしまう。そしてそれらは脂肪や砂糖がたっぷりと入っているから」。
ダイエットにおいて最大の敵は、本人の食欲と言われている。そしてダイエットをしなければならない人の多くは、食欲という点において自分を制することが難しい。その観点で見ると、食欲を活性化させない「しっかり朝食ダイエット」は確かに利にかなっているのだろう。
日本でも【クッキングパパも「朝食、うまいゾ」!? めざましごはんキャンペーンで映像メディア展開】にあるように、朝食をしっかり採ることで一日はつらつと過ごせることから大々的なキャンペーンを実施している。単に健康的な生活を送るためだけでなく、ダイエットにもプラスとなる朝食。しっかり採るのが賢い選択といえそうだ。
スポンサードリンク
ツイート